札幌の中心部で半世紀以上営業を続けて昨年4月末に閉店した川中スポーツ(南3西3)の店舗建物を不動産業のキタコー(本社・札幌市中央区)が取得していたことが分かった。キタコーは、内部をリニューアルしてアミューズメント系のテナント誘致を考えるという。(写真は、キタコーが取得していた川中スポーツのビル)
川中スポーツは、ゴリラの看板でも有名で最盛期には道内6店舗を展開、スポーツ用品店の老舗だった。全国系スポーツ用品店の台頭などによって営業を縮小、3代目社長の健康上の理由もあって昨年4月末に最後まで営業していた本店に当たる南3西3の角にある店舗を閉店していた。
建物は札幌オリンピックが開催される前年の1971年2月に竣工した地下1階、地上4階。当時営業してその後移転した成美堂書店との区分所有の建物。川中スポーツの持ち分は地下1階から地上4階までの約145坪で、「札幌オリンピックの開催以前に設立された企業であること」というのが川中スポーツの遺族から提示された売却条件だった。
キタコー設立は、1971年5月で条件をクリアしていたことなどから売却交渉が成立、約3億5000万円で取得した。現状渡しのため、内部には巨大な金庫もそのまま置かれているという。
現在も「川中スポーツ」の看板を付けたままにしているが、ビル上部には「キタコー トランプビル」というビル名称が目立たないように取り付けられている。キタコーでは、アミューズ系テナントなどの誘致を計画しており、「川中スポーツ」の看板も間もなく取り外されることになりそうだ。