ファミリーマートとユニーグループ・ホールディングスの統合交渉が始まる。実現すればコンビニエンスストア業界に「ファミマ・サークルKサンクス連合」が誕生、セブン―イレブン・ジャパンに次ぐ業界2位が誕生することになるが、北海道にはどんな影響が出てくるのか。(写真は、札幌市内のファミリーマート店舗)
北海道のコンビニ勢力図は、昨年末現在で、セイコーマート1068店、セブンーイレブン922店、ローソン504店、サンクス191店、ファミリーマート75店。地場のセイコーマートがトップシェアを抑えており全国のコンビニ業界地図とは違う展開になっている。
ファミマの筆頭株主は37%を所有する伊藤忠商事で同社はユニーにも3%の資本参加しており、今回の統合交渉は伊藤忠商事の思惑を秘めた食品卸も含めた流通業界の再編を企図したものと受け止められる。
昨年7月には読売新聞が、ファミマによるサークルKサンクスの売却打診を報じた。今回の統合交渉とは異なるもののファミマとサークルKサンクスが当時から水面下で交渉を進めていたのは間違いないようだ。
昨年のこの読売報道を受けて、セイコーマートの丸谷智保社長は同時期に行われた政策発表会で「実際に売却するにしてもフランチャイズ(FC)店を運営している個別のオーナー企業を1件ずつ説得していかなければならず、看板が変わるまでに長い時間が必要になるだろう」と述べていた。
今回、統合交渉ということでファミマとユニーグループHDが設立する持ち株会社にファミマとサークルKサンクスが看板を継続したままぶら下がる形になる可能性もある。ただ、そうなれば統合効果はコンビニFC店舗よりもチェーン本部に大きくなるためFCオーナーのメリットはあまり出てこない。看板を掛けかえることにもFCオーナーの大きな抵抗が出てくる可能性は高い。
ファミマの北海道展開を担っているのが、北海道ファミリーマート。同社は、資本金2億円で2006年2月にセイコーフレッシュフーズ(同・札幌市白石区)51%、ファミリーマート(同・東京都豊島 区)49%の共同出資で設立された。設立5年後の11年には早期に200店舗体制を作るとしていたが、設立10年目を迎える15年でも80店舗をやや超える程度で出店ペースは鈍い。
ファミマとユニーグループHDの統合は年内合意を目指すとされており、実現すれば道内コンビニ業界の勢力図にも影響しそうだ。