「マッサン」効果で『竹鶴』前年比202%、アサヒビール洋酒部門絶好調

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 昨年9月から放映が始まったNHK連続テレビ小説「マッサン」が国内ウイスキー市場に強烈なインパクトを与えている。ニッカウヰスキーの親会社、アサヒビールの平野伸一専務によると、『竹鶴』ブランドのウイスキー販売量は放映が始まった9月から急拡大、9~12月は道内で前年比202%と倍の伸びを示した。竹鶴を含むウイスキー全体でも9~12月は140%と大幅伸長を達成した。12日、札幌市内のホテルで行われたアサヒビール北海道統括本部の戦略説明会で明らかにした。IMG_3014(写真は、アサヒビール平野伸一専務=右と江田善光北海道統括本部長)
 
「マッサン」は、ニッカウヰスキー創業者で国産ウイスキーづくりに生涯をかけた竹鶴政孝とリタの物語で北海道余市が舞台。「マッサン」効果は、観光面などにも影響を及ぼしているが、国産ウイスキー市場にも大きな影響を与えている。
 
 ウイスキーの国内市場は、1983年の35万9000klをピークに2007年までに8割の大幅減少になった。09年からハイボールブームなどによって微増だが増加傾向に転じた。そして「マッサン」の放映が始まった昨年後半からは飛躍的上昇に転じている。
 
 平野専務によると、「国内全体の9月から12月の『竹鶴』販売は前年同期間比161%、1~12月の暦年でも193%と大きく伸び、国産ウイスキー全体でも9~12月は同152%、1~12月では124%の大幅な伸長になった」と言い、中でも北海道は「マッサン」の地元ということもあってさらに高い伸びを示している。「北海道での『竹鶴』販売は9~12月で202・4%、1~12月で165・9%になった。国産ウイスキー全体でも9~12月で140・5%、1~12月で120・3%と大きな伸び率だった」(平野専務)
 
 大幅な伸長によって一部商品は出荷調整も取ったが、現在は安定した供給体制が確立できているとしている。アサヒビールでは、「マッサン」効果を追い風に業務用、量販店向けの営業活動を強化してウイスキー部門の拡大を図って行く考え。具体的には、『竹鶴』を国産プレミアム洋酒ナンバーワンに育成していくほか、昨年史上最高の売上高を実現した 『ブラックニッカ』ブランドを育成、1月末に発売したブラックニッカ復刻版第1弾に続き2月、3月にも復刻版の2弾、3弾を発売する。
 
 業務用市場向けにはブラックニッカの樽詰めによるフリージングハイボールの取扱い飲食店の積極拡大に動き、全国的には年間3000店舗、北海道では年間100店舗の導入を目指す。そのほかにも『ジャックダニエル テネシーハニー』でミルクとシュガーシロップを加えたジャックダニエルハニーミルクを提案、青リンゴ味が特徴の『アーリータイムス ブラインドアーチャー』ではジンジャーエール割りを提案する方針だ。
 
 14年12月期のアサヒビール洋酒部門売上高は477億円と前期に比べて18・4%伸びて着地している。今期は465億円と3・9%増を見込む。

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