専門性の高い心理カウンセラーや発達相談士などのプロフェッショナルを認定・育成する一般社団法人コンピテンスカウンセリング協会(神田裕子代表理事)の設立記念講演会第2弾が22日、札幌市中央区のかでる2・7で開かれた。様々な分野のカウンセラー認定試験を実施するほかスキルをブラッシュアップするコンサル機能を目的にしているのが同協会。教育関係者など約25人が参加した。(写真は、一社コンピテンスカウンセリング協会設立記念講演会で挨拶する神田裕子代表理事)
講演会の冒頭に神田代表理事が「現在は心理カウンセラーが氾濫しているような状態だが、正しい知識とスキルを持つ専門家は少ない。この協会は、カウンセラーの経営コンサル的な役割を果たしてレベルアップをサポートしていくのが目的」と挨拶した。
神田氏が約20年前に始めた心理カウンセリングのBtoB(法人顧客ビジネス)、BtoC(個人顧客ビジネス)事業を行っている㈲ナチュラルハートなどと連携しカウンセラーの社会的役割を高め活躍の場を広げる狙いがある。
講演会では、『家族の絆~法律から見えてくる脆さ・危うさ』をテーマに札幌離婚相談ネット主宰・行政書士の木田晶子氏が最近の離婚事情などについて話した。木田氏は、「喧嘩の仕方が上手でない夫婦が増えていて、溜まった不満がある時点で爆発、言い過ぎや暴力にいきなり飛躍して信頼関係が崩れてしまうケースが多い」と述べ、「夫婦間のやり取りはメール、夫が食事以外は自室でゲームをしたりテレビを見るような家庭内別居は珍しくない」と紹介した。
木田氏は、離婚の親子間連鎖についても話し、「親が離婚して子供の兄弟が多かった場合などは我慢したり感情を抑えたりして幼少期を過ごすことがある。成人して結婚するとうまくいかないケースもあるが、心理学的なアプローチで離婚問題に取り組んで行くことも必要になっている」と語った。(写真は、講演する行政書士の木田晶子氏)
続いて、ナチュラルハートの現代表取締役で心理カウンセラーの東一恵氏が『あなたの周りの“不思議ちゃん”~発達障害分析』と題して講演、「発達障害は社会性やコミュニケーション能力、イマジネーション能力の3つに障害のあるADHD(注意欠陥・多動性障害)やASD(自閉症スペクトラム)などが代表だが、大人になっても自分が発達障害であることが分からず、日々頑張ってメンタルに障害をきたすことがある」と指摘した。
うっかりミスが多かったり物を片付けられない、ボーとしていて人の話をは聞いていない、詰めが甘いなどの行動はその人の個性という場合もあるが、発達障害は専門家によるテストで分かるという。「発達障害は治らないがトレーニングを積めば社会にストレスなく適応することができる。大人になってからでも十分適応できるようになる」と述べた。
一般社団コンピテンスカウンセリング協会では、12月6日から、全講義を英語で行って世界で通用する心理カウンセラーを育成する入門講座を始める。同協会のHPは、http://www.ccajpn.jp/
(写真は、発達障害について話すナチュラルハート代表取締役の東一恵氏)