商店街に出店する「ツルハ」と「まいばすけっと」企業カラーの違いとは!?

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IMG_1276 商店街の空き店舗などに出店するチェーン店と既存商店が共存できるかどうかは、かねてからの課題だが、東京・世田谷区の商店街に出店したドラッグストアのツルハと地元商店街のある出来事はその難しさを象徴的に現す事例と言えるだろう。(写真は、桑島氏)
 
 商店街の空き店舗に、ドラッグストアなどチェーン店が出店するケースが増えているが、そうしたチェーン店の多くは地元商店街振興組合に加入していない。このため、地域の祭りや商店街活動に支障をきたすばかりでなく、商店街が永年にわたって整備してきたアーケードや街路灯などの商店街のインフラをタダで使うことになる。
 
 こんな事例がある。紹介したのは全国商店街振興組合連合会最高顧問で東京・世田谷区烏山駅前通り商店街振興組合理事長の桑島俊彦氏。「チェーン店の店長には多くの場合、対外的な活動に対する権限がないが、烏山商店街に出店したツルハに夏祭りの協賛金を要請したら3000円を出してくれた。しかし、翌年にまたお願いに行くと『昨年出したお金を戻して欲しい』と。ツルハのトップに会うと、こうした出費に理解を示すが現場から声を挙げていくとなぜか途中で止まってしまう。企業市民として商店街の活動に理解を示し支援するのは当たり前ではないか」
 
 桑島氏は、「商店街に出店して何万人という消費者を相手にするチェーン店がこうした商店街活動に理解を示さないのは問題」と指摘する。その後、ツルハは烏山商店街に加盟した。
 
 一方、こんな例もあるという。「イオングループの『まいばすけっと』も商店街に出店したが、向こうから商店街振興組合に加入したいと言ってきた。商店街に出店したからには振興組合に加入して企業市民として地域貢献するのは当たり前。それでこそ一人前と言えるのではないか」(桑島氏)
  
 こうしたチェーン店を商店街振興組合に加入させるための条例が全国で相次いで成立、今年10月には全国100番目となる条例が新潟市で施行された。中心市街地活性化のためにもチェーン店と商店街の共存は不可欠だろう。
(※桑島氏の発言は、11月11日に札幌市内のホテルで開催された第15回北海道スタンプ・カード協議会での基調講演から引用)

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