コープさっぽろ(本部・札幌市)は10日、羽幌町と高齢者見守り協定を締結した。宅配トドックの配達の際、利用者の異変を発見した場合に町と連携して対応する協定で、コープさっぽろが道内市町村と見守り協定を結ぶのは100件目になる。同日、役場庁舎で舟橋泰博町長とコープさっぽろの中島則裕専務理事が協定書を取り交わした。(写真は、宅配マスコットのトドックと羽幌町のマスコット、オロ坊と記念撮影に応じる舟橋町長=右と中島専務理事)
コープさっぽろと羽幌町が高齢者見守り協定を締結したのは、今年4月25日にコープが町内の商業施設「ハートタウンはぼろ」に出店したことがきっかけ。10月1日現在で、町内の組合員数は2579人で世帯比率は69%、宅配トドックの利用者は565人、世帯比率は15・1%、このうち65歳以上は113人で構成比は20%。
協定は、週1回の宅配の際に、利用者宅の郵便受けに新聞や郵便物がたまっていたり、何日も夜になっても洗濯物が物干しにかかつたままなど異変を発見した際に配達員が町の担当者に通報、連携して対応することを定めたもの。高齢者の孤立死を防ぐ安否確認や緊急事態の対応を協力して行えるようになる。
舟橋町長は、「行政だけでは高齢者へのきめ細やかな目配りができない状況の中で、コープさっぽろと協力体制を組めるのは有意義。行政も一体になって地域の安全安心に尽くしていきたい」と述べ、中島専務理事は、「高齢者の孤独死などを防ぎ安全で安心な暮らしに少しでも力になれれば幸い。これを契機に町との間で住みやすいまちづくりに貢献できる取り組みができれば良いと思っている」と語った。
コープさっぽろは、2011年4月に札幌市と高齢者見守り協定を締結、その後同様の協定を道内市町村と結び今回が丁度100自治体目になった。実際に緊急事態など協定に基づいて連携事例が発生した件数は13年が44件、14年は10月現在で28件あった。
なお、コープさっぽろでは、羽幌店出店を機に10月8日から同店で商品を積み込んで買い物過疎地の初山別町、小平町に移動販売車「おまかせ便カケル」を運行させており、来年度には2台目を同町内でも運行する予定。