東証1部と札証に上場している建設機械レンタルのカナモト(本社・札幌市)は24日、札証2階の会議室で個人投資家向け会社説明会を開催した。同社の金本寛中社長は、配当は最も重要な利益還元策として2014年10月期の1株当たりの配当は創立50周年の記念配当10円をプラスして年間30円とし「翌期以降も継続したい」と語った。市内の個人投資家など約80人が参加した。(写真は、講演する金本寛中社長)
金本社長は、14年1月に単元株を1000株から100株に変えたことで個人も売買しやすくなったことを説明し、配当を最も重要な利益還元策と考えていることを強調。07年10月以降は中間10円、期末10円の20円配当を実施、09年のリーマンショックで赤字だったが20円配当を維持しているとした。また、今年10月は創立50周年の節目に当たり、記念配当で中間5円、期末5円の増配で年間30円配当として、翌期以降も継続することを訴えた。
同社の事業は93%が建機レンタルで占める。土木・建築の比率は地域によって差があり、例えば東京では民間建築のウエート高いが地方は逆に土木関連が多い。同社は土木関連のレンタル比率が高いが、このことは建築分野へ伸び代が大きいことを示しているということもできる。金本社長は、「東日本大震災の復興需要や東京五輪、リニアなどビッグプロジェクトが続き、国土強靭化などで先行きは底堅い。建設関連の未来は明るい」と語った。
今10月期の売上高は、当初予想の1226億円を変えていない。金本社長は、「仕事はたくさんあるが、技能労働者の不足や入札不調、着工遅延などマイナス要素はあるもののそれらを加味して数字を出している」と述べたうえで、「関東が少し伸び率が低い。これからムチを入れないといけない」と噛み砕いた言い方で集まった個人投資家たちに説明した。
創業55周年に向けた長期計画を『BULL55』と銘打って策定しているが、その実行計画として14年11月から17年10月までの3ヵ年計画を『BULL53』として段階的に実行していく計画。1500億円の売上高で190億円の営業利益を数値目標とし現在の2割増を狙う。金本社長は、「関東、近畿にM&Aを活用して大量出店するほか海外事業も積極化する。インドネシア、タイ、ベトナムに進出する予定だが、独自進出はリスキーなので各国有力パートナーとの協業で取り組みたい。BULL53の期間中に4ヵ所の海外拠点を作り、現在の3ヵ所と併せ7ヵ所にして強化していきたい」とした。
同社は1991年6月に札証に上場、その後96年3月に東証2部、98年4月に1部に昇格した。「上場したのは1株利益の向上させるのも理由のひとつだった。当時は数十円だったものが200円を突破している状況だ。今後も1株利益の改善を一番の目標に挙げたい」と金本社長は宣言していた。