コープさっぽろ(本部・札幌市)は、旗艦店である「ルーシー店」(札幌市白石区栄通18丁目)の大規模リニューアルに向け着々と準備を進めている。現在、フロア内の一部テナントを移設するなど食品売場の増床に向けて交渉を続けており、書き入れ時の12月までにはリニューアルオープンさせたい意向。(写真は、ルーシー店)
食品スーパーの店舗名は、立地している地名を採用するのが一般的。コープさっぽろもほとんどが地名を織り込んだ店舗名だが、河村征治元理事長の時代に地名と関わりのない店舗名を採用、「ソシア店」や「シーナ店」、「ルーシー店」などが相次いで登場した。1998年のコープさっぽろ経営危機で河村理事長が退任の瀬戸際に立たされた時、現理事長の大見英明氏はルーシー店で鮮魚を担当、河村氏の更迭に反対の声を上げた逸話が残っている。
大見氏の反対の声は届かず河村氏はコープさっぽろを去り、その後は日本生協連合会から金融支援とともに内館晟理事長を迎え入れるなどして再建は軌道に乗り、2007年にはコープさっぽろに経営権を戻し大見氏が理事長に就任した。河村氏が名付けた店舗名はその間も変更されることなく現在に至っている。
前置きが長くなったが、その「ルーシー店」は、文字通りコープさっぽろの旗艦店。敷地面積2万7000㎡、2階建て建物の延べ面積は2万2000㎡で売場面積はテナント含めて6200㎡とGMS(大規模スーパー)並み。自己所有物件で年間の売上高も合計で55億円とコープさっぽろの店舗としては最大規模だ。
ルーシー店の大規模リニューアルは、コープさっぽろと大見理事長にとって完全復活を名実とも体現する象徴事例と位置づけられそう。
現在は、テナントの移設、入れ替えについてテナント各社と交渉中だが、デリカ部門の拡充が柱となっており食品売場は増床される見通し。リニューアル工事は1週間ほどを掛ける予定で、12月の歳末商戦に向けて11月中には実施される見込み。