北海道ゴルフ連盟(会長・吉野次郎北洋銀行前副会長)と北海道ゴルフ場支配人会、一般社団法人日本ゴルフ場経営者協会北海道支部の道内ゴルフ3団体は11日、ゴルフ場利用税の廃止を求める要望書を荒川裕生副知事に手渡した。全国各地のゴルフ関係団体が、毎年この時期に各地区で行っている全国一斉陳情活動の一環で、「ゴルフ場利用税がスポーツのひとつであるゴルフ振興の妨げになっている」と吉野会長は廃止要望した。(写真左は廃止要望書を荒川副知事=右に手渡す吉野会長、写真右は陳情する道内ゴルフ3団体役員ら=右)
要望陳情は道庁3階の知事応接室で行われ、道内ゴルフ3団体7人のほか、道議会自民党の田中芳憲氏(恵庭市選出、2期)が出席、道庁側は税務を担当する荒川副知事が対応した。
吉野道ゴルフ連盟会長は、ゴルフが2016年のリオ・デ・ジャネイロ五輪から正式競技になりスポーツとして世界的な認知があること、3年前にスポーツ基本法が制定され自治体はスポーツ普及促進に努力する義務があること、消費税が導入された1989年に他の娯楽施設利用税が廃止された中でゴルフ場だけの課税が残ったのは二重課税で不公平などと廃止要望の理由を説明した。
荒川副知事は、「利用税の7割が市町村に交付され非常に重要な財源であることは事実。我々もスポーツを巡る環境等を考えて行かなければならない。自治体を取り巻く環境も変わっているし税全体の見直しも行われているので留意していきたい」と述べるにとどめた。
ゴルフ場利用税は、ゴルフ場の規模などよって400円から1200円の範囲で利用者が負担している。1954年の娯楽施設利用税の中でゴルフ場も対象になり、消費増税時の89年にボーリング場やパチンコ、マージャン、ビリヤードなどの利用課税は廃止されたがゴルフは富裕層が行う遊興としての側面があるとして課税が継続されている。
道内の昨年度のゴルフ場利用税収は17億8000万円で、12億5000万円が市町村に交付され、残り約5億円が道に、約3000万円が徴収義務者の各ゴルフ場に配分されている。市町村への交付額で上位自治体は次の通り。①北広島市1億8700万円②苫小牧市1億8000万円③札幌市1億600万円④恵庭市と千歳市が7000万円。