電子カルテ事業などを展開している東証マザーズ・札証上場企業のCEホールディングス(本社・札幌市)は17日、札証2階会議室で個人投資家向け会社説明会を開催した。杉本惠昭社長は、政府が医療費抑制や地域医療充実のために進めている電子カルテを活用した地域連携医療や個人の医療・健康情報活用サービス(どこでもMY病院構想)分野を強化、「マザーズから東証1部へのステップアップを目指したい」と強調した。個人投資家約80人が参加した。(写真は、事業概要を説明する杉本惠昭社長。札証は、2階会議室の内装をリフレッシュ、CEホールディングスは一新した会議室で最初のIR開催会社になった。)
杉本社長は冒頭、「今日は私の64歳の誕生日。皆さん、お祝いに来てくれたのでしょうか」と集まった個人投資家たちを沸かしたうえで事業概要の説明を始めた。昨年4月に新設分割でこれまでのシーエスアイから社名を変更して持ち株会社のCEホールディングスになったことについて、「非上場子会社が上場会社を吸収合併するテクニカル上場の手法もあったが、私は敢えて新設分割の方法を採った。シーエスアイが2001年にマザーズに上場した際、証券コードは4320で初値も43万2000円だった。証券コードと初値が同じ新規公開会社は珍しく、何としても証券コードを手放したくなかったから」とこだわりの新設合併だったことを披露した。
電子カルテ事業は順調に推移、全国620を超える中小病院向けに納入しており、同じく電子カルテ事業を大手病院向けに展開している筆頭株主の日本電気と合わせるとシェアは30%を超え、富士通の35%に続く2位グループであることを示した。
「若い医師は最初から電子カルテで研修を積んでおり今後も導入が進んで行くが、私はシェア50%になればその後はそれほどの伸びはないと判断している」として、インターネットを介して医療機関同士が電子カルテの情報を共有する地域医療連携や個人が自分の診療や健診、調剤の情報データを取り寄せて活用する「どこでもMY病院」構想のシステム提供などの分野へ経営資源を振り向けていくことを説明。
(リフレッシュした札証会議室には個人投資家ら約80人が集まった)
また、ネットを利用した世代別の医療・健康サービス、高齢者向けサービスなどコンシューマー(一般顧客)向け事業で新たな市場を開拓する考えも明らかにした。
CEホールディングスの株式所有地域別分布で北海道は8・5%(14年3月末現在)。上場時から保有している株主が多いのが特徴で10%程度まで高めたいという。同社はかねてからマザーズから東証1部へ市場変更を計画しているが、「ホールディングス形態にして電子カルテ以外の事業も進めたのはその一環。時価総額は現在約50億円で基準(40億円)をクリアしているが、もう少し株価が上がってくれれば」(同社)としている。