日本チェーンストア協会北海道支部(支部長・出戸信成マックスバリュ北海道社長)は9日、札幌市中央区のホテル札幌ガーデンパレスで総会に合わせて講演会と懇親会を開催した。講演会では、彩北法律事務所の吉岡征雄弁護士が『北海道の活力ある未来に向けて』と題して講演、懇親会には増山壽一北海道経済産業局長らも来賓として出席、和やかに歓談した。協会加盟社や食品メーカー、卸など約80人が出席した。(写真左は吉岡弁護士の講演会、写真右は懇親会で挨拶する出戸支部長)
講演した吉岡氏は、32年間検事を務め、その間道内各地で勤務した経験がある。検事退官後は稚内で弁護士事務所を開業、約8年間務めた後、現在は札幌で弁護士事務所を開いている。
通算20数年の北海道在住経験から、個人的見解として道民には①自慢しない、PRベタ②官尊民卑③守りの姿勢が強く攻めが少ない――などの傾向があるとして、「道民はもっと北海道のことを知って愛着を持った方が良い。そのことが意欲に繋がり能力との掛け算で活力が出てくる」と話した。吉岡氏は、マイナス要因として人口減と高齢化は避けられないとし、「北海道は全国より人口減と高齢化のスピードが早い。克服すれば北海道は良いモデルになり他の地域や外国にモデルを提供できる。マイナスをプラスに変える発想を持って」と訴えた。
その後の懇親会で出戸支部長が、「全国的には昨年度は17年ぶり既存店売上げが前年をクリアした。道内も既存店が昨年8月から今年3月まで前年をクリアしており転機が訪れている。4月は消費税の増税という環境の変化があって駆け込み需要の反動減が出たが、5月が過ぎ6月になって道内小売業の状況を見ると想定より反動は少なかったという印象」と挨拶したうえで、「北海道は人口減と高齢化の中で地方の店舗ではパート社員が雇えないなど採用問題が深刻。また社員の高齢化も課題。そうしたマイナスをプラスに転じるようにお互いに協力しながら地域のインフラとしての役割を果たしていきたい」と語った。
(挨拶する増山・北海道経産局長)
来賓の増山壽一道経産局長は、「赴任して2年経ったが、来た時とはまさしく風景が違う。2年前は、今から思うと経済の底だった。2年経って景気の気の部分は上向いている。この大きな気を皆さんの力で果実にしていただければ。消費税が上がったが転嫁はスムースに進み、消費者に受け入れられ思ったよりも大きな反動がないようだ」と挨拶した。
また、増山局長は、今年10月から外国人観光客の免税品枠が食料品まで拡大されることに言及、「道運輸局と一緒に北海道の商店街をまるごと免税店化しようと動いている。是非みなさんも検討していただければと思う」とチェーンストア協会加盟店の免税店化を促していた。