デンコードー(本社・宮城県名取市)は今年12月オープンを目指して「ケーズデンキ厚別店」(厚別区厚別東5条8丁目)の建設に入った。立地場所は、ヤマダ電機(本社・群馬県高崎市)の「テックランド札幌厚別店」(同区厚別東4条8丁目)の国道12号線を挟んだ向かい。ケーズデンキのコバンザメ戦略とも言える出店で、家電量販店の熱戦を象徴するゾーンになりそう。(写真は、ケーズデンキ厚別店の工事現場=手前、右奥に見えるのがテックランド札幌厚別店)
家電量販店各社は消費増税前の駆け込み需要で3月は大幅に売上げが伸びた。4月は前年同月に比べて2割ほどの減少になった。各社は、15年3月期で伸びは鈍るものの売上げ増は続くと見ているが、最大手のヤマダ電機は出店を絞り込む。一方、ケーズデンキは引き続き出店していく構え。
ケーズホールディングス(茨城県水戸市)のグループ会社で東北・北海道の店舗を運営するデンコードーが建設を始めた「厚別店」は、敷地面積約1万4700㎡で、建築面積約6900㎡、2階建て延べ床面積は約1万1000㎡。1階は駐車場、2階が店舗面積約5400㎡の売場になる。
駐車場の収容台数は232台で営業時間は午前9時から午後9時45分を予定。商圏範囲は半径2㎞、千㎡当たりの来店客数は1日1183人を想定している。
ケーズデンキの道内店舗数は、札幌市内4店舗を含む17市5町で26店舗。ヤマダ電機は札幌市内11店舗を含み20市2町で39店舗。ケーズはこれまで地方で出店を重ねてきたが、2年前の「発寒店」に続き昨年は「月寒店」(豊平区月寒東)を出店、札幌に軸足を置き始めた。
その際、ヤマダ電機のテックランド店舗の商圏に入り込む出店戦略で需要を取り込む展開をしている。「ケーズデンキ発寒店」は「テックランド札幌発寒店」とわずか200mほどしか離れておらず、「ヤマダ」と「ケーズ」の広告塔が火花を散らす距離。今回の「ケーズデンキ厚別店」も05年にオープンした「テックランド札幌厚別店」と国道を挟んで対峙することになる。今年の歳末商戦では「ケーズVS.ヤマダ~厚別の乱」が繰り広げられそうだ。