札幌証券取引所は、道内企業のIPO(新規株式公開)に向けた環境整備を図るため公認会計士や弁護士、監査法人など専門家集団からなる勉強会を立ち上げた。“チーム札証”とも言える組織で、委員長にあたる主幹事には会社法に詳しい赤れんが法律事務所の杉山央弁護士が就任した。月1回のペースで情報交換を含めた勉強会を開くとともに道内地方都市などでセミナーを開催、道内企業のIPO熱を高める取り組みを実施する。(写真は、14日に札証で開かれた第1回の勉強会=札証提供写真)
札証は、3月末に道内金融機関とIPOに向けた協力協定を個別に締結、北洋、道銀、23信金の取引先でIPOを目指す企業に対するサポート体制を整えた。
今回の勉強会はこうしたサポート体制に厚みを付けていくための取り組みで、専門家同士の横連携を深めIPOに関する情報や知識を集約、併せて道内企業にIPOへの関心を高めるセミナーなども開催していく。
メンバーは、監査法人から新日本有限責任監査法人の岩永光正シニアマネジャー、有限責任監査法人トーマツの津村陽介パートナー、金融機関から北海道信用金庫協会の伊藤修治専務理事、道銀の佐藤弘道営業企画部商品戦略室上席調査役、北洋の宮内博地域産業支援部担当部長、コンサルティングファームからヒューマン・キャピタル・マネジメントの土井尚人社長、証券会社から岡三証券の小塚正樹企業公開部長、上光証券の斉藤裕美取締役営業本部長、弁護士として赤れんが法律事務所の杉山代表弁護士、ベンチャーキャピタルから北海道ベンチャーキャピタルの三浦淳一社長、ジャフコの渡辺正人北海道支社長、事務局として札証の湯浅祐一郎上場推進部部長の計12人。
14日に行われた第1回の勉強会では岡三証券の小塚部長が「最近のIPOの傾向」と題して講演、質疑や意見交換をした。勉強会は月1回のペースで実施しメンバーの間口も広げていく考え。
地方証取がこうしたIPOに関する組織を立ち上げた例として、福岡証券取引所の「IPO挑戦隊」がある。2009年に創設された福証の組織でIPOを目指す企業を募り、監査法人のショートレビューを受けられる水準まで経営力・組織力を高めることを目標に集中的にサポートする組織。
札証が今回立ち上げた勉強会は、“チーム札証”として福証を模した個別具体的なサポート体制構築に引き上げて行くことが望まれる。