北海道経済産業局(増山壽一局長)は、道内各地域で元気に輝いている中小企業や商店街を選ぶ「地域でがんばる中小企業・小規模事業者」「地域でがんばる商店街」顕彰制度を創設、20日にホテル札幌ガーデンパレスで1回目の表彰式を行った。「ものづくり」や「サービス・小売」、「人材活用」、「地域活性化」など分野から選ばれた12社と3つの商店街。増山局長は、「地域で元気な企業や商店街が『元気だ』と発信することが大切。元気な人や企業のネットホークを築いて“北海道元気グループ”を作って欲しい」とエールを送っていた。(写真左は、増山局長から表彰状を受け取る木下勝寿北の達人コーポレーション社長=右、写真右は受賞した12社・3商店街のリーダーたち)
経産省では、昨年度から女性や高齢者、外国人、障がい者などを多様な人材を活用して成長している企業を表彰する「ダイバーシティ経営企業100選」や今年度から国際展開に優れた企業を表彰する「GNT(グローバル・ニッチ・トップ)企業100選」を始めるなど、頑張っている企業や団体等にスポットライトを当てる制度を積極的に創設している。
道経産局でもこうした本省の動きを受けて独自の顕彰制度を検討、“元気”をキーワードにものづくりや地域活性化に貢献している中小企業・小規模事業者、さらに地域の商店街を表彰する制度を創設することにした。
今回、道経産局や中小企業基盤整備機構北海道本部、北海道商店街振興組合連合会などの推薦を経て選ばれたのは、12社、3商店街。
「ものづくり」分野では大型仮設事業のパイオニアとして知られる「ADM」(伊達市)、新たなガラス工芸に道を開いた「ザ・グラス・スタジオ」(小樽市)、食品加工機械に進出して実績を積んでいる「シンセメック」(石狩市)、半導体製造装置や省力化機械の開発・製造の「メデック」(函館市)の4社。
「サービス・小売」分野では、北海道の素材を使った化粧品、健康食品の原材料を扱う商社「北国生活社」(札幌市西区)、月寒あんぱんを製造し伝統の味を守りつつ道産食材を使った新しい和洋菓子を開発している「ほんま」の2社。
「人材活用」分野では、新卒社員の視点で新商品開発や各種のプロセスを実施している道産素材ベースの健康食品や化粧品をネット販売している「北の達人コーポレーション」(札幌市北区)、失恋休暇やニックネーム制度などオリジナルな社内ルールを制定して働きやすい環境を整備しているWebサービス「ソルトワークス」(札幌市中央区)の2社。
「地域活性化」の分野からは、健康タマネギ「さらさらレッド」で知られる「植物育種研究所」(栗山町)、沼田町のブランド米、雪中米の台湾輸出に取り組んでいる「丸ヨ吉住商店」(沼田町)、鮭節を開発した「丸和信和建設」(標津町)、北海道で唯一うずらの孵化と飼育を行い、室蘭特産スイーツ『室蘭うずらプリン』を開発した「室蘭うずら園」(室蘭市)の4社がそれぞれ選定された。
また、商店街では5つの商店会組織がコンソーシアムを組織して室蘭工大の学生との連携による情報発信などをしている「中島商店会コンソーシアム」(室蘭市)、商店街自らデイサービス事業を始めた「発寒北商店街振興組合」(札幌市)、年間80万人が訪れる『フラノマルシェ』を整備運営している「ふらのまちづくり会社」(富良野市)が選ばれた。
表彰式ではそれぞれ文面の違う賞状と増山局長が発案した英語の賞状が受賞者一人ひとりに手渡された。その後、受賞した企業の社長と商店街の代表者がスピーチ。ふらのまちづくり会社の西本伸顕社長は、「まちづくりには3つのキーワードがある。それは情熱のパッションと自分たちがやるという使命のミッション、行動するアクション。パッションのないミッションやアクションはフィクションになる」と笑いを誘いながら受賞の喜びを語っていた。