つしま医療福祉グループは15日、札幌パークホテルで社会福祉法人ノテ福祉会創立30周年、日本福祉学院開校25周年の記念祝賀会を開催した。同グループは、創業時から中・重度の要介護高齢者や障がい者の自立を支援し、介護の人材を育て健常者とともに生活するノーマライゼーションの実現を目指してきた。記念式典では30年の歩みがDVDで紹介され、町村信孝衆議や横路孝弘衆議などが挨拶、鏡開きで節目の年を祝った。(写真左は記念式典で挨拶する対馬徳明代表、写真右は上田文雄札幌市長や堀達也元道知事ら25人が参加した鏡割り
祝賀会は2部構成。最初に行われた記念式典には約250人が出席。つしま医療福祉グループの役員6人が登壇し代表の対馬徳昭氏が挨拶。「私は大学を出て一介の車のセールスマンになったが、25歳の時に厚田村の特別養護老人ホームを見学する機会があり、入所している高齢者一人ひとりと話をしたことがその後の人生を決めた。考えに考え抜いて老人福祉に関わる事業を起業して一生の仕事にする決意をした」と創業の原点について語り、5年後、30歳の時に豊平区月寒に特別養護老人ホームを職員23人で開設したのが出発点と紹介。「まず取り組んだのが全入居者のおむつを外すことだった」と振り返り、「尊厳をもってその人らしく充実した生活してもらうために工夫を続け、支える人材も必要ということで専門学校を開設した。専門学校は今年4月に開学する学校法人日本医療大学保健医療学部看護学科に繋がっている」と話した。
さらに対馬代表は、高齢者が重度の障害を持つようになっても在宅で自立して暮らすためのサービスシステムを完成させて日本の在宅介護を変えていくことを強調。それらを支える人材育成にさらなる努力を続けることも訴えた。また、2014年度のグループ予算80億円から5年後には150億円にほぼ倍増させることも明らかにした。
その後、町村氏や横路氏、高橋はるみ知事、高向巖札幌商工会議所会頭、堰八義博北海道銀行頭取の挨拶が続き、上田文雄札幌市長や堀達也前道知事、寺島光一郎乙部町長(北海道町村会長)、北良治奈井江町長、三好昇江別市長ら25人が壇上で掛け声とともに鏡開きを行い、式典を盛り上げた。
記念式典の後、会場を移動して祝賀パーティが行われ、つしま医療グループの顧問弁護士でもある太田勝久弁護士の子女、藤間蘭翔さんが日本舞踊「菊の栄」を披露して参加者約700人から喝采を浴びた。乾杯の音頭をとった石井純二北洋銀行頭取は、「つしま医療福祉グループが成長してきたのは対馬代表の卓越した経営手腕と先見性の賜物。高齢社会の到来によって同グループの使命はますます高まる。トップランナーとして引き続き牽引役を務めてもらいたい」と挨拶した。
会場には、対馬氏の創業以来、共に切磋琢磨してきた同年代の経営者仲間である大谷喜一アインファーマシーズ社長と佐藤良雄キャリアバンク社長も顔を見せるなど和やかな歓談が続いた。