9日に札幌市内で行われた「空港運営戦略フォーラム」の詳細をお届けするシリーズ3回目は、『望ましいコンセッションの枠組み』と題して行われたパネルディスカッションの内容を詳報する。パネラーは、国土交通省航空局航空ネットワーク部長の久保田雅晴氏、北海道知事の髙橋はるみ氏、旭川市長の西川将人氏、帯広市長の米沢則寿氏、千歳市長の山口幸太郎氏、北海道大学公共政策大学院特任教授の石井吉春氏で、コーディネーターは内閣府の福田隆之大臣補佐官が担当した。IMG_7752 (2)(写真は、『望ましいコンセッションの枠組み』と題して行われたパネルディスカッション)

 福田氏の「コンセッションを通じて何を目指すべきだと思っているか」についてパネラー各氏はこう答えた。口火を切ったのは山口・千歳市長。山口氏は道内13空港で組織する空港協会会長で一括民営化対象7空港のうち国管理4空港で組織する協議会座長も務めている。
「新千歳空港は千歳の村民が手作りで作った飛行場で、91年の歴史がある。市民の財産であり、空港に対して一致協力していこうという郷土愛が根付いている。今でも市民の空港への思い入れ強い。そんな市民気質を理解してもらいたい」

「一括民営化では、地域との共生、地域の理解が欠かせない。民間委託で北海道の観光振興をどう図り、北海道経済の底上げに結び付けるかが大切。そのためには新千歳空港を如何に活用するかが大きなカギだ」

「7空港の旅客実績から言えば、新千歳空港が9割を占める。このパイを地方の空港に分散するだけのゼロサムであってはならない。7空港がそれぞれ努力しながら全体が増えるプラスサムでなければならない。ともすれば、新千歳空港の1人勝ちにも聞こえるが、私は新千歳空港を活用してその活力で他の空港と連携し、互いの役割を果たしていくことが大きなポイントだと思う。運営事業者のSPCには是非そういう視点で提案してもらいたい」

 続いて米沢・帯広市長はこう答えた。
「7つの船がロープに繋がれていて、それを進めていこうとしても前に進まない。7空港の一括民営化の肝は一つの船になることで、その仕組みづくりが重要。北海道を一つのマーケットとしてみることだ。これまで私たちが外国などにエアポートセールスに行くと、いつも空しい感じがした。それは私たちの前には函館市長一行、私たちの翌日には釧路市長一行が訪問することが多々あったからだ」

「先方から見れば北海道は一つ。各空港が頑張っていたが無駄とは言わないにしても効率的ではなかった。一体になればそうしたことは解消できる。7つの空港の組み合わせで北海道の価値をどう提案していくのか、空港を核にした2次交通を含めて考えるチャンスになる」

「私が自戒しているのは、民間委託によって観光振興、地域振興までをSPCが担ってくれるのではないかと思いがちになること。過度な期待をしてはいけない。各地の観光資源を磨いていくのは自分たち。各地域がSPCと連携して、一緒に汗をかいていく姿勢が大変かつ重要だ」

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