中国系不動産会社、海潤(ハイルン)が札幌市中央区宮の森で建設中の4物件に対して地域住民らで作る「宮の森の環境を考える会」は6月中旬、同社を相手として札幌簡易裁判所に調停の申し立てを行った。4物件のうちすでに3物件の建設が進んでおり、今年9月にも1号物件が完成する。調停の動向によっては海潤と住民の対立が深まりそうだ。IMG_5628(写真は、民泊反対の立て看板が立つ宮の森2条11丁目の海潤の管理事務所建設予定地)

 海潤が建設中または建設予定の4物件は、宮の森4条12丁目の「宮の森雅殿1」と「同2」、宮の森4条13丁目の「コンセプトハウス」それに宮の森2条11丁目の管理事務所。

「雅殿1」は、先行して建設が進んでおり9月には3階建て5戸の建物が完成する。「雅殿2」も3階建て5戸で、傾斜地のため現在は土地造成工事が始まった段階。「コンセプトハウス」は、宮の森4条13丁目の一戸建て建物で海潤会長の別荘となり販売する建物のモデルルームを兼ねるが、未着工。さらに宮の森2条11丁目にはこれらの建物の管理をする管理事務所の建設が進行中。
IMG_5639(写真は、今年9月に完成する雅殿1)
IMG_5643(写真は土地造成が始まったコンセプトハウスの予定地)
 
 海潤がこれら4つのプロジェクトを今年2月に示して以降、近隣住民らは「分譲マンションではなく民泊用にも使われる施設になるのではないか」と疑問を持つようになり3月初めには海潤と住民、建設業者を交えて住民説明会が開かれた。
 住民ら約90人が出席した説明会で、海潤側はいずれの建物も購入者が居住するものだと説明し宿泊施設として利用されることがないことを示した。
 
 この説明会で住民側は、「雅殿1」に計画されている露天風呂は近隣の環境を阻害するとして中止を求めたほか管理規約の原案開示なども求めた。海潤側は露天風呂の設置中止を購入者と協議検討することや管理規約の原案を必要な範囲で開示することを検討すると答えた。
 
 その後、住民は約50人で組織する「宮の森の環境を考える会」を発足させ海潤側に居住目的で販売することを再確認するとともに、居住者の責任で旅行者には利用させないことなどを明確にした協定書原案を送付、回答を求めたが4月末の期限までに回答がなかった。 
 このため「考える会」は、弁護士に委任して露天風呂設置中止が実現したのかどうかを含めて5月末までに文書回答を求めたが、こちらの回答もなかった。

「考える会」の要請中もこれら施設の建設が進んでいることから、同会は札幌簡裁に調停を申し立て、3月初旬の住民説明会で海潤が行った説明の結果がどうなったか、約束した管理規約原案の開示などの履行を求めることにした。住民説明会から3ヵ月が過ぎ、海潤と「考える会」の「民泊論争」は裁判所が関わる新たな段階に入った。



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