小中高の教員や教頭、校長、さらに教師を目指す人たちの思いや悩みを共有し共に解決への道筋を探る自主的集まり「北海道師範塾」の塾頭を務める吉田洋一氏(元道教育長)が師範塾のホームページに塾頭通信を書き始めて100回を超えた。教育のことはもちろん、政治、社会、スポーツとテーマは幅広いが、一貫しているのは物事の本質を見極めようという探究心。師範塾では100回までの塾頭通信を冊子にまとめ、『牛の歩み 壱』として会員らに配布している。(写真は、塾頭通信をまとめた冊子を手にする吉田洋一塾頭)

北海道師範塾は、元道教育長の吉田洋一氏(北海道社会福祉事業団理事長)や当時吉田氏とともに教育行政に携わった白髭俊穂氏(北海道体育協会専務理事)、巻渕雄二氏(北海道給食会理事長)のほか道立盲学校校長を務めた鈴木重男氏(北海道文教大准教授)などの有志が中心になり昨年11月1日、北海道教育の日に合わせて本格的に活動を始めている。

小中高や養護学校などの現役教師や教頭、校長、教育委員会関係者、教師を目指す大学生などが塾生として参加、年1~2回のセミナーや交流会を実施している。

塾頭の吉田氏が師範塾のホームページに塾頭通信を書き始めたのは今年の2月20日から。教育のフィールドでは例えば学力調査について『調査をしないのは臭いものに蓋をしようとするに等しい』と見解を示すなど、評論から踏み込んで自身の意見を堂々と主張している文が多く目に付く。

東日本大震災や原発事故、政治の漂流、さらにはクルム伊達公子の活躍を称えるなどジャンルはそれこそ縦横無尽。

吉田氏は、「1回の通信は1000字程度にしているが、新聞やテレビ、人との会話から1日中テーマを探している。土日や祝日以外は毎日2時間くらいパソコンに向かってキーボードを叩いているのですが、今では逆に書かないと落ち着かないですね」と笑う。

2月20日の第1回から100回を達成したのは7月7日。138日間のうちで100日、塾頭通信のカバー率は72%。吉田塾頭は、「200回、300回に挑戦します」と言う。

北海道師範塾では、100回までの塾頭通信を冊子にまとめて今月3~4日に行われた同塾主催の「教師の道研修会」で参加者に配布した。「牛の歩み」とは、新渡戸稲造の<怠らず行かば千里の外も見ん 牛の歩みのよしおそくとも>から取ったもので、この言葉は吉田塾頭の座右の銘という。

塾頭通信は、http://www.kyoshinomichi.jp/で自由にアクセスできる。

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