イトーヨーカ堂(本社・東京都千代田区)は8日の臨時取締役会と株主総会で代表取締役の異動を決議した。戸井和久社長・COO(最高執行責任者)が辞任して社長付になり2014年5月まで社長を務めた亀井淳氏が社長・COOに就いた。IMG_7890(写真は、再登板の亀井淳氏=2013年7月撮影)

 亀井氏は、1944年5月30日、東京都出身の71歳。早稲田大学第一商学部卒で68年4月日本鋼管入社。80年1月イトーヨーカ堂入社、93年5月取締役、99年5月常務、2003年5月専務・専務執行役員、06年5月代表取締役社長・COO就任、14年5月に退任して顧問、モール・エスシー開発会長。社長復帰後もモール・エスシー開発会長を兼務する。
 
 ヨーカ堂の15年3~11月第3四半期決算は144億円の営業赤字になり、セブン&アイ・ホールディングス(HD)の中でも原点事業のヨーカ堂の凋落に歯止めがかかっていない。戸井社長は、全国一律のチェーンストアから脱して地域密着を強めたり、全国40店舗の閉鎖を決めるなど荒療治を進めようとしたが、業績低下に歯止めがかからず辞任せざるを得なかった。
 
 小売業界内では、「原点事業のヨーカ堂も切り離してセブン&アイ・HDの保有株の一部を売却するのではないか」という憶測も飛んでいるが、現実になりかねないほど事態は切迫している。米マクドナルドが日本マクドナルドホールディングスの持ち株を一部売却することで再生の荒療治をするように、セブン&アイ・HDもマクドナルド手法を採用する可能性は高い。
 
 セブン&&アイ・HDグループのさる小売業トップはこう語っている。「ヨーカ堂は大企業病が蔓延している。店舗の現場を預かる店長が改革を進めようとしても上にいる幹部たちの意識が変わっていないため改革が現場に浸透しないことを実感する。セブン―イレブン・ジャパン幹部とヨーカ堂幹部の経営感覚の落差は大きすぎる」


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