札幌都心部の中央区南2条西4丁目で平面の民間時間貸し駐車場を利用して自転車向け屋上駐輪場の設置工事が進んでいる。札幌市が建設を進めているもので、都心部の放置自転車対策の一環。駐輪場完成後、1階部分は駐車場として利用を継続する。(写真は、屋上駐輪場の建設が始まっている南2西4の一角)
屋上駐輪場は、南2西4にある遠藤興産(本社・札幌市中央区)の遠藤パーキング約270坪を利用して建設が進んでいる。駐車場の屋上部分を駐輪場とするものだが、鉄骨を組むため平面駐車場の舗装も剥がしており、本格的なビル建設のような工事になっている。
道建工事(同・同市東区)と山王建設(同・同市中央区)の経常共同企業体が市から約2億円で落札、工事期間は12月半ばまで。自走式駐輪場の収容台数は450台で来春から利用が始まる。遠藤興産は市と7年間の使用協定を結んでいる。
札幌都心部にはまとまった駐輪場がないため、路上に止められた自転車により安全な歩行が妨げられたり街並みの景観が損なわれるなど深刻な問題になっている。
市は今回の屋上駐輪場のほか西2丁目線の南1条と南2条の間の地下を使って地下2階建て、延べ面積約600坪、1600台収容の地下駐輪場を建設する計画も進めている。こちらの工事費は約30億円で2016年度から工事を進め19年度から利用が始まる。
雪の影響で冬期間は極端に自転車の利用が減るが、夏場のピークに合わせて駐輪場を設けなければならないのが寒冷地自治体の宿命。冬場の活用を考えた公共駐輪場をどう作るか、知恵の出しどころだ。