道北アークス・六車聖新社長インタビュー「強い販売力と惣菜強化で成長」「ウェスタンは来期改装」

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 ――人口減少で小型店は厳しい。

 六車 人口の少ないところに出店しているのがダ・マルシェですが、10年前に愛別町に1号店を出店してスタートしました。当時の人口は、約3000人だったと思いますが、今は、その8割くらいになっています。ダ・マルシェは、8店舗トータルでは今期好調ですが、もっと工夫をして、効率化を検討していきたい。

 ――ダ・マルシェは、人口減少地域のモデル業態になりますか。

 六車 ダ・マルシェの運営で、最低の人口ラインはありますが、マーケットによって違いがあります。歌志内の店舗は、運営コストをいかに下げるかについて、常に検討しています。出店している自治体に何人いるかよりも、来てくれるお客さまの人数と年齢層が非常に重要です。人口減少地域に出店するには、マーケットをきちんと分析する必要があります。
 会長がよく話しているのは、道北エリアで展開するには、いろいろな業態を持たないとお客さまへの深堀りができないということ。広範囲から集客するウエスタン、地域に根差したダ・マルシェ、コモディティに特化した店舗など、業態の性格をきちんと分けて展開していいかないと、道北エリアでの展開は難しいと思います。

 ――今後の店舗戦略は。

 六車 新規出店については、情報を集めていますが、具体化はしていません。改装について、今期は、老朽化した冷ケースの入れ替えなど小規模なリニューアルを実施しました。来期以降は、タイミングを見て、ウエスタンの改装を行いたい。2022年から売り場が比較的大きいベストプライスのスーパーアークス化をほぼ終え、順調に推移しています。ウエスタンの川端は昨年改装しましたが、パワーズと北彩都が残っています。来期には、対応したいと思います。

 ――アークスオンラインショップを導入する予定は。

 六車 導入は難しいとみています。商圏的には、グループのベルジョイスのオンラインショップと親和性があるかもしれませんが、現状、導入予定はありません。

 ――アークスグループでの役割は。

 六車 グループは成長しており、私たちも道北でのシェアの維持、拡大を進めていきます。グループの成功事例の共有など横展開が活発になっており、カインズのPB商品を当社店舗でも扱い始めました。教えてもらうことが多いですが、当社もさまざまな取り組みを行って、グループシナジーに貢献したい。

 ――競合他社の動きは。

 六車 旭川市内は落ち着いており、他社のこれ以上の出店も簡単ではないと思います。当社も新規出店すると、自店競合になってしまうと思います。

 ――2025年10月に、大試食会を開催しましたね。

 六車 2018年に大雪アリーナのネーミングライツを取得して、道北アークス大雪アリーナとした時から、検討を始めていました。あの施設は、半年間、屋内スケートリンクになるので、4月から10月半ばくらいまでしか、催しには使えません。コロナ禍で中断を余儀なくされ、何もできない期間もありましたが、昨年からようやく打ち合わせができるようになり、今回の初開催にこぎつけました。

 ――7年越しだったのですね。

 六車 計画では、約5000人の来場を見込んでいましたが、7000人を超えるほど盛況でした。メーカーさまや卸さまなど98社が出展して、おすすめ商品を試供品として来場者に食べていただく企画ですが、本州のCGCグループが取り組んでいたこともあって、開催することにしました。メーカーさまや取引先の評価をお聞きした上で、来年の開催を検討したい。想定以上にお客さまが来てくれて、うれしかったですね。目的の一つは、当社のファンづくりです。メーカーさまが提案する食べ方を含めてエンタメ要素が強いので、「おいしいね、楽しいね」と感じてもらえたと思います。

 ――会長との役割分担は。

 六車 常務時代から営業本部に所属していて、現在も営業に注力しています。会長は経験もあって人脈、地域の情報も多いので、大局的に意見、助言をもらっています。会長から学ぶことは多い。

 ――最後に趣味を聞かせてください。

 六車 筋トレが趣味と言えば趣味かもしれません。週に2回はジムに通っていましたが、今は週1回になりました。10年以上前から通っています。まじめに続ければ、必ず結果が出るのが筋トレ。そこが良いかなと思っています。(終わり)

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