アークスは、9月1日付人事で東京駐在を新たに設けた。同社は今月、岩手県盛岡市に本社を置くジョイスを昨年のユニバース(青森県八戸市)に続いて経営統合、北海道からの南下政策を進めている。東京駐在は、こうした南下政策をさらに進めるための情報収集の意味合いが含まれている。また、食品卸とのパイプをより強化する目的もあると見られる。(写真は、札幌市中央区にあるアークス本社ビル)
 
  東京駐在の発令を受けたのは、大山仁氏。大山氏はこれまで道南ラルズの取締役商品部ゼネラルマネジャーを務めていたが、9月1日の人事でラルズの商品統括部第6商品部ゼネラルマネジャーとの兼務でアークス東京駐在のポストに就いた。
 
 アークスは、今月ジョイスを統合したことにより、2013年2月期の連結売上高は4390億円と予想され、食品スーパー最大手のライフポレーション(約4800億円)に続く業界2番手の地位を確保した。
 
 食品スーパーは、三菱食品や国分など食品卸大手や大手商社との人脈や情報のパイプが不可欠。イトーヨーカ堂などのIYグループとイオングループが大規模SC(ショッピングセンター)展開を再開するなど、一時は停滞していた大手GMS(総合スーパー)系による流通再編が再び動き出す流れになっている。
 
 そうした中で、大手GMS系に組み込まれずに独立系食品スーパーとして生き残るためには、機動的M&Aを行使できる情報武装は欠かせない。
 アークスは、加盟している全国規模の商品共同仕入れ会社、シジシージャパン(東京都)内に東京駐在担当を置いた。常駐ではないにしても、東京にアンテナを張る意味は大きく、今後同社の東北から北関東を含めた南下政策の情報収集拠点になりそうだ。


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