店舗オーナーに経営の主導権があるボランタリーのコンビニエンスストア(CVS)チェーン「北海道スパー」が8月末で営業を終了する。北海道スパーの現在の店舗数は約70店舗。4月以降、セイコーマート(本社・札幌市中央区)の関連会社セイコーフレッシュフーズ(本社・札幌市白石区)は新たに「ハマナスクラブ」の店舗名でボランタリーチェーンを展開、店舗オーナーの加盟を募って行く。一部の北海道スパーは「セイコーマート」に転換する見通し。(写真は8月末で営業を終了するスパー店舗)
「スパー」は、オランダに本部がある世界的なボランタリーのCVSチェーン。1970年代には、日本国内でもCVSのノウハウを吸収しようと全国各地にスパー本部が設立され、一時は3000店舗のスパーがあった。
90年代に入って以降は、先進的とされたスパーのCVSモデルは陳腐化、進化した日本のCVS本部が経営指導なども含めて権限の強いフランチャイズのコンビニチェーンを積極展開、全国各地のスパーは続々と消えて行った。
「北海道スパー」は、全国で唯一スパーの看板が残されたエリアだったが、地区本部の役割を果たしてきたセイコーマートの関連会社、北海道スパーは「スパーの加盟から約40年経過しノウハウは吸収できた。今後は新たなボランタリーチェーンとして展開していく」(広報)としている。
北海道スパーは、スパーの地区本部として、加盟料を毎年オランダに本部があるインタースパーに支払っているが8月末の契約更改で更新しない。
道内には最盛期で約120店舗あったが、現在は約70店舗。札幌市内とその近郊、道東などに店舗がある。セイコーフレッシュフーズは、ボランタリーチェーン本部の受け皿として「ハマナスクラブ」を設立、スパーからの転換を受け入れる。ただ、北海道スパーのオーナーも高齢化が進んでおり代替わりした店舗や後継者難の店舗もある。このためFCや直営のセイコーマート転換を選ぶオーナーも出てきそうだ。
※2016年3月31日記事一部修正