苫小牧市が2015年の流通小売りの激戦区になりそうだ。ホームセンターや食品スーパーの道外勢であるコメリ(本社・新潟市)やトライアルカンパニー(同・福岡市)が14年に相次いで市内に新店舗をオープンさせたが、15年は道内勢の巻き返し出店が相次ぐ。DSC_6450(写真は、苫小牧北栄町3丁目SCの予定地)
 
 道内勢の巻き返しのひとつが、人口増加が著しい苫小牧市の東部、沼ノ端地区でのショッピングセンター(SC)建設。ホーマック(本社・札幌市厚別区)とマックスバリュ北海道(同・同市中央区)のイオングループ2社は、来年8月中旬オープンを目指して北栄町3丁目にSCをオープンさせる。地元の地主である「ほしの」の所有地約2万2000㎡にホーマックは約6000㎡、マックスバリュは約2000㎡の小売店舗を建設する。
 
 敷地内にある既存のローソン店舗も建て替えて「MYM」(苫小牧市)が運営する。小売店舗の総面積は8503㎡で駐車場の収容台数は430台。大規模小売店舗立地法の届出では、新設日は15年8月12日になっている。
 
 苫小牧市は、流通小売りの各社が今年に入って一気に出店を加速した道内指折りのホットゾーン。トライアルが7月下旬に「スーパーセンタートライアル苫小牧東店」、12月にはコメリの大型ホームセンターとしては北海道1号店となる「コメリパワー苫小牧東店」がオープンした。トライアルは、小型店を含めて市内3店舗になりディスカウントの需要を取り込む。
 
 こうした道外勢に対して、ホーマックは市内でホームセンター3店舗を展開していた地元のフジタ産業の「ハッピーワン」を買収、「ホーマック」にリニューアルするなどして対抗策を打っている。
 
 15年は、道内勢の巻き返しが本格化。今回の苫小牧北栄SC以外にも、糸井駅近くではホクレンショップとサッポロドラッグストアーのSCも誕生する。さらに、苫小牧駅近くの弥生町にもホーマックとマックスバリュのコンビによる大型SCが予定されている。アークスもラルズが所有する沼ノ端地区での土地利用も検討する。
 15年の苫小牧は、新店、M&A、旧店舗のスクラップ&ビルドなど道内外の流通小売り各社の攻防が縮図になって現れてきそうだ。


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