鈴木直道氏(38)が23日、北海道知事として初登庁、知事の仕事をスタートさせた。午前9時、公用車で本庁舎玄関前に到着すると花束を受け取り、道庁役職員が集まったロビーでは拍手に笑顔で応えながら、知事室のある3階に向かった。鈴木新知事が見えなくなると、道庁役職員たちからは一斉にどよめきが湧きあがった。※動画はこちらの画像↓をクリックしてご覧ください。

(写真は、道庁職員に拍手で迎えられた鈴木新知事)
(写真は、知事の椅子に座る鈴木新知事)

 知事室に入った鈴木知事は、真新しい木彫りの卓上名札を触りながらゆっくりと着席。心境を聞かれ、「夕張市長の椅子のひじ掛けには穴が開いていたが、この椅子にはありませんね」と話しながら座り心地を確かめていた。 
 
 10時からは地方自治法に基づく事務引き継ぎが行われ、髙橋はるみ前知事(65)の引継書への署名に続いて鈴木新知事が署名、新旧知事は笑顔で握手した。
 
(写真は、事務引継書に署名した新旧知事)
(写真は、握手する新旧知事)

 この日、鈴木新知事を迎えた道庁内には、16年ぶりのトップ交代に高揚感が満ち溢れていた。去る者を感謝で送り出し、来る者に期待を抱いて迎え入れる。一つの時代の終わりと始まりを噛みしめているような表情の道庁職員が多かった。

 北海道の顔は言うまでもなく知事の顔そのものだ。トップの器が、組織の器と相似形になるのは企業も自治体も変わらない。鈴木氏は2月の立候補から選挙戦、当選、そして初登庁と目まぐるしい3ヵ月間を過ごしてきた。時として自分の立ち位置を見失うようになりそうな環境変化を潜り抜けてきたと言っても良い。初登庁に臨んだ鈴木氏は、昂ぶる心情をほとんど見せず淡々と職務に臨んだ。使命感が高揚感の重石になっているような顔だった。

 鈴木新知事をロビーで迎えた道庁職員たちが発したどよめきは、職員一人ひとりが新風のようなものを感じ取ったからに違いない。そのどよめきは道民にも相通ずる。これからの4年間、北海道の1日1日をどう舵取りしていくか、どよめきに応えていってもらいたい。


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