マチの新陳代謝は、建物の解体・新築が大きな要素を占める。見慣れた建物が解体され、新しい建物が建設され、マチは生まれ変わっていく。札幌には今、中心部にも郊外にも数多くの新陳代謝の姿がある。札幌の今を記録する『札幌の今、解体ノート』の31回目は、中央区北2条東1丁目の旧「セブンーイレブン札幌北2条東1丁目店」。(写真は、解体工事が始まった旧「セブンーイレブン札幌北2条東1丁目店」)

 街中のコンビニエンスストアをマップ上に示すとその多さに驚く。コンビニの大海原中に浮かぶ街のような印象を受ける。それだけ街中インフラとしてコンビニは定着している。そんな一軒が2022年3月末に閉店した。「セブンーイレブン札幌北2条東1丁目店」。北3条通と東2丁目通の交差点南西角にあった店舗。街中の風景に溶け込んでいたコンビニの閉店は、日常に中に非日常が現れたような違和感を与えている。

 閉店したコンビニの大半は、コンビニ以外の店舗に再利用される場合が多いが、「セブンーイレブン札幌北2条東1丁目店」は解体の道筋を辿っている。工事は6月13日から始まり、6月30日には更地になる見通し。解体工事を行っているのは、札幌重機工業(札幌市北区)とタイヨウ(同)。土地建物は、2021年11月に総合不動産業のアルファコート(本社・札幌市中央区)が取得している。敷地面積は約85坪(280・68㎡)と広くはない。土地建物には旭川信用金庫(本店・旭川市)が1億7000万円の抵当権を設定している。
 周囲は、賃貸マンションが並び、向かいには「JR札幌病院」がある。解体後にはどんな役割を担う建物が建設され、街中の日常をつくりだしていくのだろう。


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