1923年創業の大阪の老舗オフィス・商業施設賃貸業のダイビル(本社・大阪市北区)が、札幌に進出する。11月末に札幌のファッションビル「PIVOT(ピヴォ)」など3棟のビルを取得した。敷地面積は1000坪級となり一体再開発も視野に入れる。(写真は、ダイビルが取得した「PIVOT」)

「PIVOT」は、中心街ビル(札幌市中央区)が1969年に建設したビルで、「中心街デパート」として開業。その後、73年に旧ダイエーの北海道1号店が入りダイエーの道内展開の基礎を築いたことで知られる。93年のダイエー撤退後に「PIVOT」に衣替え、現在も大通地区のファッションビルとして地場カラーを保ちながら独特の存在感を放っている。

 中心街ビルは、隣接する「4丁目プラザ」などと違い、地権者が少なく数年前から売却の噂が絶えなかった。72年の冬季札幌五輪のころに相次いで建てられた駅前通の商業ビル群は相次いで更新時期を迎えており、ビル所有者は売却か、自前で建て替えるかの決断を迫られている。

 今回、ダイビルは初の地方中核都市への投資拡大として札幌を選び、「PIVOT」を核にほぼ一体的に建っている「桂和MTビル」、「ペンタグラムビル」の3棟を取得した。「PIVOT」と「ペンタグラムビル」の土地・建物は中心街ビルが所有、「桂和MTビル」の土地・建物は桂和商事(札幌市中央区)が所有していた。取得費は非開示だが100億円を超えると見られている。

「PIVOT」は、1969年竣工で地下3階、地上9階建て、延べ床面積約6296坪(2万814㎡)、「ペンタグラムビル」は1985年竣工で地上3階建て、延べ床面積約65坪(214㎡)、「桂和MTビル」は、1969年竣工で地下2階、地上7階建て、延べ床面積は約777坪(2567㎡)。敷地面積は「PIVOT」と「ペンタグラムビル」合わせて約844坪(2790㎡)、「桂和MTビル」が約98坪(323㎡)。

 当面はこれまで通り各ビルに入っているテナントの営業を継続するが、将来的には3棟を解体して敷地面積約1000坪を利用した再開発を進める。


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