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北海道リアルエコノミー

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 「北のミュージアム散歩」は、道新文化センターのノンフィクション作家を育成する「一道塾」(主宰・合田一道)の塾生が書いた作品を連載するものです。道内にある博物館、郷土歴史館、資料館などを回り、ミュージアムの特色を紹介しながら、ミュージアムの魅力やその存在する意味を問いかけます。
 第52回は、洞爺湖町の「北海道洞爺湖サミット記念館」です。ぜひご愛読ください。

(合田一道)

■第52回 北海道洞爺湖サミット記念館
―世界中から注目を浴びた3日間を記念して―


北海道洞爺湖サミット記念館の全景

 2008年(平成20年)7月7~9日までの3日間に渡って、第34回先進国首脳会議(G8サミット)が、北海道の洞爺湖で開催された。メイン会場は「ザ・ウィンザーホテル洞爺」。この会場の特徴は、都市部から離れて警備がしやすく、しかも自然豊かに囲まれた保養地だからである。
 翌年の4月に開催を記念して、洞爺湖町は会議で使用された備品や関連資料等を、洞爺湖観光情報センターの三階に展示し、記念館として公開された。同センターはサミット期間中、日本政府の現地対策本部として使用され、その後、洞爺湖温泉町観光振興課で管理している。


円卓会議で使用されたテーブルと椅子:
参加首脳の等身大のパネルもある

 館内に入りすぐ右斜め上を見ると、G8以外からゲスト参加した国の国旗(14か国分)が揚がっている。そのすぐ下に、拡大会合に使用された長さ11メートルのテーブルがある。テーブルは、橅の一枚板で作られたものを使用。椅子は竹材の寄木細工で作られた。ちなみに中央の席は、日本の首相が座った席である。着席も自由であり、写真撮影も可能である。
 一番奥は、サミットの円卓会議で使用された円卓と椅子の展示がある。円卓は檜山産イタヤカエデを用いており、直径が3.5メートルの大きさである。円卓の左右に風雲雷神の屏風と、8か国の国旗と首脳の等身大パネル展示である。ここは、写真撮影のみ可能で、奥への立ち入りはできない。
 サミット期間中は会議と並行して、各国首脳のファーストレディーによる配偶者プログラムもあり、ホスト国の福田貴代子首相夫人が率先して、ファーストレディー外交の役割を果たした。その時の様子を、写真やパネルにて説明している。さらに、等身大のG8首脳のファーストレディーのパネルもある。


ファーストレディー気分になれる写真:
ザ・ウィンザーホテル洞爺にて、服飾評論家の市田ひろみ氏による、十二単の着付けデモンストレーションを行った。
中央部分は、顔はめ撮影ができるようになっている。

 その近くに、左官技能士の挾土秀平氏によって作られた土の円卓がある。これは、配偶者プログラムの時に使用された。直径2メートルの土のテーブル盤は、地球上の大陸は一つだったとする大陸移動説を元に、分裂しかかった大陸を砂利で浮かびあがらせる斬新なデザインであり、「今回のサミットで、地球温暖化対策について国境はなく物事を考えてほしい」という意図で作られた。
 サミット期間中のランチやディナーは、北海道各地の新鮮な食材を使い、食の安心と安全をアピールした。その時の食材の説明や、ザ・ウィンザーホテル洞爺のシェフによる調理の様子の写真とメニューもある。
 また、裏方で働いた人達の活動の記録がある。「サミット道民会議2008」の発足をはじめ、道内各地で道民主催のサミットの関連行事やプレイベントが開催され、道内の各地が盛り上がった。さらにサミットの開始までに、多くの地元住民によるボランティアが歓迎の意味をこめて、清掃活動などをした。その時の様子を、館内及び入口前の階段のところで、写真や解説として紹介している。

 今回のサミットで使用した備品や開催記念のグッズの他に、日本文化を象徴している展示がある。それは、各国の首脳とファーストレディーの短冊であり、サミットの初日が七夕であったことが関係している。福田康夫首相は短冊に願を込めて、「温故創新・人類の叡智に学び未来を拓く」と書いた。
 日本の警察が、厳重な警備を敷いていたことがわかる写真もある。これは、47都道府県のパトカーの写真である。道外から多くの警察官が、集結したおかげである。
 サミットの主な参加首脳は、日本の福田首相をはじめ、米国、英国、フランス、ドイツ、イタリア、カナダ、ロシア、EUの各首脳である。主要議題は世界経済、環境気候変動、開発・アフリカ及び政治問題であり、このことについてゲスト参加した国を含めて、3日間で討議した。この時、福田首相の記者会見で使用した壇が、8か国とEUの国旗と一緒に置いてある。歓迎行事では、YOSAKOIソーラン祭りの「平岸天神メンバー」による舞や、手筒花火の披露などの日本流のおもてなしで、参加首脳を遇した。

利用案内
住  所:〒049-5721 虻田郡洞爺湖町洞爺湖温泉142
電話番号:0142-75-2446
F A X:0142-75-3715
開館時間:9:00~17:00
休 館 日:12月31日~1月3日
料  金:入場無料
アクセス:JR洞爺駅から道南バスで洞爺湖温泉行き乗車。所要時間は約25分

付近の見どころ:
洞爺湖温泉ビジターセンター 火山科学館
1977年(昭和52年)と2000年(平成12年)の有珠山噴火の映像や火山活動の歴史の他、被災した軽トラック等の展示がある。また、体感装置で、噴火当時のことが体験できる。

文・写真 大渕 基樹

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