和洋菓子、パン、ケーキを製造販売しているもりもと(本社・千歳市)は12月9日(月)、「千歳本店」を建て替えオープンさせる。今年70周年を迎えたのを機に老朽化していた本店を新築したもので、6日には地元の行政、経済関係者を招いた内覧会を開催した。※動画はこちらの画像↓をクリックしてご覧ください。

(写真は、12月9日にオープンする「もりもと千歳本店」の外観)
(写真は、「手づくりどら焼き」を紹介する森本真司社長)

 新しい「千歳本店」(千歳市千代田4丁目12ー1)は、支笏湖に繋がる森と温かく降り注ぐ木漏れ日をイメージしている。曲線状のガラス張りの建物で内部の高い天井に直線状に配置された木材は生い茂った葉のように印象的で、什器やカウンターには道産白樺の間伐材を使った滝沢ベニア(芦別市)の合板を使用、「森」をテーマにしたミュージムアムのような雰囲気も漂わせている。

 内覧会のセレモニーで、もりもとの森本真司社長は、「新しい商品、わくわくする商品を生み出し続けるために生産者、菓子職人など多くの“美味しい”を作る人たちが集まる“森”になってほしいという願いを込めた。千歳本店は、フラッグシップショップとして新しい美味しさを発信していく」と挨拶した。 

 来賓として出席した山口幸太郎・千歳市長は「個人的には、もりもとの『たまごまんじゅう』は大ヒットだと思っている」と笑いを誘った上で、「千歳の良さを世界に発信していく拠点になってもらえればうれしい」と述べた。続いて千歳商工会議所の入口博美会頭(三友石油代表取締役)が、「千歳の中心市街地に核となる店舗が必要だとずっと思っていた。今回の店舗は、中心市街地活性化の引き金になると思う。皆さんと協力してもりもとの100年を支えたい」と話した。

「千歳本店」のオープンにあたり同店限定の商品が多数用意されているが、この日の挨拶で森本社長が最初に挙げたのが70周年記念商品『時のバウムクーヘン』(税込2700円)。「良質な北海道素材を活用して理想の味に近づけた自信作」(森本社長)で70周年ということから高さは7㎝、限定700個と7づくしとなっている。
(写真は、70周年記念商品「時のバウムクーヘン」)
(写真は、1日10本限定の「贅沢生クリーム角食」)

 続いて『贅沢生クリーム角食』(同1・5斤1200円)を紹介、首都圏の北海道物産展でも大好評で生産が追いつかない状況になっているという。道産小麦とバター、生クリームを使っており、トーストにしても、モチモチとサクサクの食感を楽しめる角食で1日10本のみの販売。
 最後に紹介したのが『手づくりどら焼き 究(きゅう)』(同1000円)。「究極と探究の意味を込めて“究”にした。もりもと主力商品『雪鶴』に使っているバターとチーズのクリームを餡と一緒にサンドすることで究極のどら焼きを完成させることができた」(森本社長)というほどの商品。店内のカフェスペース「北のアトリエ」でセルフトッピングしながら楽しむこともできる。

 その他にも、道産バターと蜂蜜を使用した『窯出しマドレーヌ』(同1個250円)、千歳産鶏卵の『こくまろ』を使用した『ななまるシュー』(同1個300円)、『至福のいちご大福ゆめ』(同1個150円)、千歳産『こくまろ』を使用しバスクタイプの焼きチーズ『もりもとバスクチーズ』(同1個480円)なども用意している。

(写真は、森をイメージして道産木材を多く利用した店内)
(写真は、復活した旧本店時代の街頭時計)

「千歳本店」の敷地面積は約569坪(1878㎡)で店舗は鉄骨造平屋建て、延べ床面積約150坪(497㎡)。設計、監理はストアームーデザイン事務所(東京都渋谷区)、施工は玉川組(恵庭市)。店舗脇には40年前に設置され旧本店のシンボルになっていたものの、その後撤去されていた街頭時計も復活、新たな歴史を刻み始めている。


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