キャスターで北大創成研究機構客員教授の佐藤のりゆき氏が有志7人と「北海道独立研究会」を組織した。可もなく不可もなく、達成感を得ることがほとんどなくなった北海道の現状に、もう一度独立の気概を呼び起こそうと講演や提言を通じて道民に訴えていく。市民や道民が誰でも参加できる立ち上げのシンポジウムを来年2月にも行う予定。(写真は、佐藤のりゆき氏)

 
 佐藤氏はHBCで22年間アナウンサーを務めた後にフリーとして独立。その後UHBのトークDE北海道のメインキャスターを今年3月まで足かけ18年務めた。
 
 番組を終えて道内各地を講演して回るうちに、地方の閉塞感を肌で感じ、「頑張っている地域の人たちを一つの力にしていくプラットホームのような組織が必要ではないか」との思いが募り研究会の立ち上げに思い至った。
 
 メンバーは、横山純一北海学園大教授、白崎修一札幌秀友会病院副院長、茂木手貴一北海道観光振興機構職員、大西雅之鶴雅グループ代表取締役、遠藤乾北大教授、石崎岳北海学園特任教授の6人で佐藤氏が主宰する。
 
 佐藤氏は、「例えば農業や観光という北海道が強い分野では、道内では生き生きと頑張っている人たちがいる。でも、そうした息吹が点のままで線や面に広がっていない。10年ほど前には一杯やれば必ず夢や希望を語りあったもの。点の取り組みを全道に広げて、もう一度独立の気概を思い出して新しい北海道を創っていくきっかけにしたい」と語っている。
 
 佐藤氏は「トークDE北海道」を通じて、道民の間にすっかり浸透。軽快な語りと時折見せる本質を突く嗅覚は、フリーで鍛えた独立の気概から生まれたようだ。ワイド番組のメインキャスターには、知識や語り、物事を見るセンスなど多くが要求されるが、佐藤氏の組織に頼らない市民目線に立った問題意識こそが道民の共感を得て18年間という長寿番組になったことは確か。
 
「北海道独立研究会」というやや時代がかったネーミングにこそ佐藤氏の思いが込められている。発信力のある佐藤氏とその仲間たちの活動が道民の背中を押す触媒役を果たせば、錆び付いた独立心が磨かれるかもしれない。


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