「オレンジリボンのライトアップで子ども虐待防止を呼び掛けよう」――札幌の中小電気工事業者で組織する札幌電気工事業協同組合(約490社)青年部(65人)が、6日から札幌市東区のサッポロビール園でオレンジリボンライトアップとイルミネーションを実施、市民や観光客にオレンジリボン運動の啓発活動を行う。電気を利用した地域貢献活動を考える中で生まれたイベントで、青年部の会員たちは「一人でも多くの人にオレンジリボン運動を知ってもらいたい」と意気込んでいる。会期は12日までの7日間。16196034_1107435142699175_6421984240964145153_n
DSC_0419(写真は、サッポロビール園でのオレンジリボンライトアップ&イルミネーションの据え付け作業=いずれも札電協青年部提供)

 札電協青年部は、発足してから33年目を迎える。様々な事業を通じて絆を深め成長していくことを目標にしており、地域貢献活動も地域社会への還元という目的で15年ほど前から毎年実施している。
 当初は、河川敷の清掃活動が主だったが8年前から電気を使ったイベントとしてライトアップ活動を開始。中島公園(札幌市中央区)にある日本庭園の中の八窓庵や、円山動物園(同・同)の雪像で作った滑り台などをライトアップしてきたが、6年前から毎年2月に市内の児童養護施設5ヵ所でライトアップ&イルミネーションを始めた。
 
 施設で暮らす子どもたちと一緒に飾りつけをしたり、ゲームをしたりして遊ぶことで青年部会員と子どもたちが交流、この活動がきっかけで電気工事の職に就いた子どももいる。5年間で多くの子どもたちと絆を深める中で、青年部会員たちは虐待を逃れるために入所する子どもたちが増えていることに気付いた。

「虐待を少しでもなくすために自分たちは何ができるかを考えた結果、より多くの人にオレンジリボン運動を知ってもらうことが必要ということで、サッポロビール園にご協力いただき、ライトアップとイルミネーションを行うことにしました」(青年部・嶋川泰規部長、45、丸三大信電気常務)。
 ビール園での据え付け作業には、仕事の合間を縫って青年部の約40人が集まり、手分けして同業の池下電設から借りたイルミネーションの飾りつけを行った。作業時間は、朝7時から翌日の午前2時までという大仕事だった。

「かなり本格的なライトアップとイルミネーションになっています。ビール園を訪れる人たちの関心を引くイベントになると思う」(前出・嶋川部長)。イルミネーションにはLED電球が約2万個ついており青や緑、ピンク、白の色で点滅する。また投光器は20台を並べ、手作りしたオレンジリボンを照らす。
 
 点灯式は6日午後5時で、東区やポッカサッポロのゆるキャラも集まり記念撮影会も行われる。また、啓発テッシュの配布や児童虐待防止運動の展示物の紹介も行う。
「オレンジリボン運動を知らない人が多いので、今回のイベントで虐待の問題に関心を持っていただき、児童虐待を一人でも減らしていきたい」(青年部事業委員会・中村貴裕委員長、36、中村電設代表取締役)。
 
 点灯時間は、6日から12日までの午後5時から同10時30分まで。青年部では児童養護施設の子どもたちを点灯式に招待するとともに、26日には養護施設5ヵ所で電気を利用した工作などを行うイベント「『電Lab.』で遊ぼう」も行うことにしている。青年部会員たちのオレンジリボンに託した思いが、サッポロビール園の赤レンガとともに夜空を彩る。



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