コンサドーレ取締役ゼネラルマネージャーでチーム統括本部長の三上大勝氏(46)が、『北海道コンサドーレ札幌の地域貢献(アジア戦略)と前半戦を振り返って』と題して講演した。前回に続く後半は、地域貢献とアジア戦略。講演の内容を要約して紹介する。IMG_4408(写真は、SATOグループオープンセミナーで講演する三上大勝氏)

 コンサドーレにとって2017年のシーズンはJ1残留が第一のミッションだったが、シーズン中に道民、市民、サポーターのアンケートを取ったという。観戦していて面白いと感じる試合の得点差について問うもので、道民が最も興奮するのは「2対0」であることがわかった。

 この結果を受けて、コンサドーレは18年を攻撃的スタイルに変えると決め、それを体現できるミハイロ・ペトロヴィッチ(ミシャ)監督を迎えた。「他チームからは、『J2降格候補の筆頭と言われているのに攻撃的スタイルは無理』という声が多かった。私は夏までに今の選手たちで攻撃的スタイルが構築できれば良いと思っていたが、予想以上に早くスタイルが確立できつつある。ミシャ監督のマネジメント力によるところが大きい」と三上氏は語る。

 ミシャ監督は選手たちとよく話しており、三上氏によると「キャプテンを置かなくても良いくらいマネジメントしている。選手たちはみんなリーダーシップを取れるようになった。これもミシャ監督の影響だ」。今シーズンは5位以内で終えることを監督、選手とも常に意識しているという。
 
 地域貢献について、三上氏はこう言う。「我々の会社はプロサッカーチームの運営が目的ではない。北海道を豊かに元気にすること。そのツールとしてサッカーがある。そうでなければ存在価値を高められない」。自分たちは地域に何ができるかーー、ノウハウ、知識などの強みを再認識してそれを活かしていくことだと強調。5人いる通訳をコンサだけで抱え込むのではなく、外に向けて活用していくこともその1つ。

 さらにアンテナを高く掲げ地域の声を聞いたうえで一歩を踏み出すことも地域貢献に繋がると指摘。「選手たちが食育やスポーツスクールに参加したり、トレーナーやフィジカルコーチが健康運動教室を開いて地域の人たちと触れ合う。そうすることで距離が縮まり新しい取り組みが生まれてくる」(三上氏)。
 スポーツ振興によって北海道の活力を引き出すことにも積極的だ。東京都に次いで競技人口が多いバトミントンのチームを設立したほか、常呂町の男子カーリングチームをサポート、8月にはチームを正式発足させる。

 さらにアジア戦略にも力を入れている。コンサがアジアに目を向けたのは7年前。その理由について三上氏は「アジア各国でサッカーの影響力は非常に強く、クラブのオーナーは、その国のビジネスで成功した石油王や不動産王たちであること。また、アジアのサッカー界はJリーグに注目、選手の育成システムにも興味を持っている。いち早くアジアに目を向けることによってコンサが北海道の地域貢献に役割を果たせると考えたから」と話す。

 タイ、マレーシア、ベトナム、インドネシアのプロリーグと提携、レ・コン・ビン選手やイルファン・バフディム選手、さらに現在活躍しているタイのチャナティップ・ソングラシン選手を獲得。自国の英雄たちが発信する北海道、札幌の魅力がシティプロモーションに大いに役立っている。

 最後に三上氏はこんな例えを話した。「タクシーの運転手が運転するのが仕事だと思うか、お客を安全に迅速に運ぶことが仕事だと思うかで大きな差が出てくる。迅速に安全にお客を運ぶために今日すべきこと、明日すべきことがわかってくる。それを1年間積み重ねたら大きな差が出てくる」ーー常に意識を高く持つことの大切さを訴えて講演を終えた。(終わり)