出版社の財界さっぽろ(札幌市中央区)が、コミック本「北の残響~シャクシャイン伝~」の発売を27日から全道書店で開始した。同社は、月刊誌「財界さっぽろ」のほかハードカバーの単行本、新書の「アップル新書シリーズ」などを出版しているが、今回初のコミック本を手掛ける。(写真は、財界さっぽろが発売したコミック本「北の残響~シャクシャイン伝~」)

「北の残響」は、日高管内新ひだか町静内真歌の真歌公園にあるアイヌ民族の英雄シャクシャインの新しい像が恒例の法要祭(9月23日)で披露されたのに合わせて出版された。地元の不動産業プライムが、財界さっぽろにシャクシャインについてもっと広く道民に知ってもらいたいとコミック本の出版を持ちかけて実現した。

 シャクシャインは、1600年代にアイヌ民族の首長として、当時の松前藩と独立の戦いを主導した。ただ、詳しい史料が現存せず人物像はあまりわかっていない。

「北の残響」の原作者、有光涼氏は「史実を元にしたフィクションとしてシャクシャインの生きざまをエンターテインメント性を持たせて描いた。多くの人に読んでもらい記憶にとどめてほしい」と話す。漫画は札幌在住のやまだとろぴー氏と空水らら氏。監修はプライム・AP245。B6判、216ページ。価格は650円(税抜)。
 財界さっぽろでは、「今後も少年ものからBL(ボーイズラブ)ものまでジャンルを問わずコミック本を手掛けたい」と話している。


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