IMG_0476 北洋銀行(本店・札幌市)は包括連携協定を結んでいる北海道大学との共催による市民医療セミナーを14日、北洋大通センター4階セミナーホールで開催した。今年度に入って5回目になるセミナーは、北大大学院医学研究科眼科学分野の石田晋教授が『眼の健康を維持するために』をテーマに講演、参加した市民約100人が熱心に耳を傾けた。(写真は、講演する石田晋北大教授)
 
 石田教授は、主に加齢黄斑変性について話し、「欧米では失明原因の半数を占めており、日本でも食生活など生活様式の欧米化で10年程前までは失明原因の8番目だったが今では4番目になり増え続けている」とした。
 
 加齢黄斑変性は網膜に余分な血管が増えてきてそれが出血や変形を引き起こして発症するもので、VEGFと呼ばれるたんぱく質が作られると悪い血管が増えていくと説明。3大血管疾患は、すべて炎症が原因で生活習慣病は既に組織に炎症が起きていることを示していると話した。
 
 ほうれん草に含まれるルテインやDHA、EPAが含まれる魚の油は炎症を起こしにくい身体をつくり生活習慣病になりにくくなるという。ルテインは体内では合成されないもので食べると目の水晶体や黄斑に取り込まれサングラス効果や酸化ストレスを抑える効果があり、「ルテインをたくさん食べると余分な血管の新生が小さくて済む。目の真ん中に集まるのが緑黄色野菜に含まれるルテインの効果だ」と語った。
 
 また、石田教授はボリフェノール、カテキン酸、コーヒー酸のほかレスベラトロールについても言及、「ピーナツの皮やブドウの皮にはレスベラトロールが含まれていて一緒に食べるのが好ましい」と述べ、「身体に良い食べ物は目にも良い」と訴えた。
 
 講演後には、参加者からサプリメントの選び方やブルーベリーの効果について質問が寄せられ、石田教授は「サプリメントの選び方は難しい」と答え、眼科学会が推奨している数社のサプリメントあることを紹介。また、プルーベリーやビルベリーについて「北欧から目に良いという話が伝わって来たものだが、臨床データのエビデンス(証拠)は今のところない」と答えていた。


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