コンサドーレ札幌を運営する北海道フットボールクラブ(HFC)が8040万円の債務超過をクリアするために1億円を目標に増資を進めているが、筆頭株主のサポーターズ持株会の割当分5000万円は達成したものの、HFC側の増資が不調だ。増資は5月末をメドにしており、持株会は目標額を大幅に上回る7000万円程度まで見込めるが、HFC側は1000万円程度しか集められない可能性がある。最終的に債務超過が解消できても、HFC側の目標未達で経営陣の責任が問われそうだ。(写真は、26日のサンフレッチェ広島戦。この会場でも持株会の増資勧誘が行なわれた。)
 
 HFCは、前12月期決算で黒字化したが、債務超過状態は解消されず負債が資産を上回る状態が続いている。Jリーグでは2014年度からクラブライセンス制度が導入されてチームを運営する会社が債務超過状態なら成績を問わず下位リーグに振り落とされることが決まっている。今年度は、まだ適用されない猶予期間だが早期の解消が不可欠になっている。
 
 このため、HFCでは5月24日までに債務超過を解消するため1億円の増資を行うことを決め、筆頭株主のコンサドーレサポーターズ持株会が半分の5000万円(1口1万円で5000口)を募り、残り5000万円をHFC経営陣が他の出資企業などに増資要請することになっていた。
 
 持株会は、19日の時点で5190万円と目標額を達成したが、HFC側の増資募集が不調で目途が付いたのは財団法人北海道サッカー協会の100万円、北海道新聞社の400万円の合計500万円と言われている。目標額のわずか10分の1という状況だ。
 
 24日には1億円に届かなかったため、当初の締め切りを延ばし5月末まで増資募集を行うことになったが、持株会は最終的に7000万円程度まで積み増しできる可能性があるという。一方、HFC側の増資は目標額の5000万円には未達が避けられない見通し。
 
 HFCの矢萩竹美社長は、「コンサドーレは、行政と企業・団体、市民が三位一体となったチームでJリーグのお手本。地域主義が貫かれている」と言うが、財政面で持株会に頼り切る運営は、HFC経営陣の自助努力という面で大きな課題を残しそうだ。


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