【北方ジャーナル連携記事】 野党結集選挙として全国から注目を集めた衆院北海道5区補欠選挙。野党統一候補で無所属の池田真紀氏(43)は、わずか1万2千票あまりの差で惜敗した。大票田の札幌市厚別区では約4100票差でリードするなど5区の自治体で4勝4敗。与党候補で故町村信孝衆議の娘婿、和田義明氏の背中に手をかけたものの振り切られた。イケマキ 敗戦の弁(写真は、敗戦の弁を語る池田真紀氏)

 和田氏の当確がNHKで報じられた午後10時10分過ぎ、江別市内の池田選挙事務所はどよめき、テレビ画面で和田氏の姿が映ると、「やめてくれ」など支援者から悲痛な言葉が飛び出した。
 そうした中、池田氏は午後10時40分ころ神妙な面持ちで事務所に姿を表した。開口一番、「朝も晩も、寝る間を惜しんで必死に一緒に戦ってくれた皆さん、心の底から応援してくれた全国の皆さん、思いや願いを(自分に)投じてくれた皆さん。本当にありがとうございました」と目を潤ませながら深く頭を下げた。「悔しくてなりません」と、接線を逃した率直な心境を何度も口にした。
 
 選挙戦の総括については、「(この選挙戦で)人々の“生きづらさ”といった見えない社会問題が見えてきたと思っています。こんなに市民一人ひとりが主体的に動き、そして強固につながった選挙は今回が初めてではないでしょうか。これは紛れもなく大きな一歩になったと思います。この確かな一歩を全国の希望に必ず変えていきたい」と、現政権vs市民の図式で接戦に持ち込んだ成果には一定の自信を示した。
 
 そして自身の今後に関して、「市民としての活動、福祉の専門家としての活動を、政治へも反映できるように取り組んでいきます」と語り、支援者から激励の言葉と拍手の渦に包まれた。
 
 投票率は57・63%で2014年の前回より0・8ポイント低かった。過去5年間の衆院道5区選挙で故町村氏が民主候補の小林千代美氏が負けた09年以外は、いずれも3万1千~4万9千票差で勝利している。今回の1万2千票差は、野党結集が民意を汲み取る受け皿になることがある程度証明された。
 ただ、投票率が示すように参院選の前哨戦、衆参同時選挙の見極め選挙など全国から注目を集めたにもかかわらず地元は盛り上がらなかった。与野党とも大物政治家が頻繁に5区入りするなど役者が揃った豪華補選だったが、結果は地味なものになったと言えそうだ。


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