札幌市が所有する札幌駅南口東街区(中央区北5西1)の再整備構想が3月21日にまとまる。この土地は、市が2003年に旧国鉄清算事業団や日本通運などから買い上げて街区一体を保有、現在は駐車場として使われている。市の諮問を受けた「札幌駅交流拠点再整備構想案策定委員会」が2年前から再整備を議論、昨年末に決まった北海道新幹線札幌延伸を織り込んで構想案を市に答申する。北5西1単独での再整備ではなく、エスタビルがある北5西2を含めた一体開発が盛り込まれる。(写真は、札幌市が所有する北5西1の街区)
 
 北5西1の街区は、もともと旧国鉄清算事業団と市、日通などが所有していたが、道立劇場の建設構想が持ち上がったため市が底地を一体保有するために先行取得していた。
しかし、10年3月に高橋はるみ知事が、北5西1に道立劇場の建設断念を発表し、再整備構想は振り出しになった。
 
 市はそれに先立ち同年1月に「札幌駅交流拠点再整備構想案策定委員会」(会長・小林英嗣北大名誉教授)を立ち上げ、この街区を含む駅周辺ゾーンの交通課題や交通施設の再配置を念頭にした新たな交流拠点に相応しい再整備構想の議論を始めた。
 
 北海道新幹線の札幌延伸や路面電車の札幌駅南口乗り入れなど将来構想の受け皿として特に焦点になっていたのが北5西1から2、3の位置づけと役割。
 
 昨年11月に第7回の委員会が開催されたが、その時点では北海道新幹線札幌延伸が未確定だったため、構想案をまとめる3月21日には、年末に決まった札幌延伸の本決まりを受けて踏み込んだ答申案になりそう。
 
 委員会では具体的な何を作るかまでは示さず、役割や機能と言った抽象的表現で北5西1~3の再整備案を出す予定。
 
 中でも注目されるのは、市が所有する北5西1とJR北海道が所有する現エスタビルの北5西2の街区を一体開発して新たな札幌駅の顔づくりを示す点。市とJR北海道が協調して一体開発を進めていくことになりそう。
 
 札幌駅南口は、JRタワーや大丸がオープンした03年が第一次の顔作りだったが、今回は第二次の顔作りに向けたスタートになる。
 
 市は委員会の答申を受けて14年度の新まちづくり計画に札幌駅周辺整備を盛り込む考え。


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