札幌駅前通地下歩行空間の開通から1ヵ月と10日余りが経過、1日当たりの通行人は約8万人で落ち着いてきた。開通当初は、10万人を超えたが平常モードに入ってきた。それでも4万人と見込んでいた通行人の倍。今後、地域の食材を集めた即売会やストリートパフォーマンスも実施、都心から発信する新たな文化創造を模索する。(写真は地下歩行空間の北3条広場)


3月12日の開通前日に起きた東日本大震災を受けて当日は開通記念式典を中止したが、それでも札幌市の調査によると当日の通行人は11万2758人。14日月曜日は10万5004人と10万人を超えた。
開通から2週間後の3月27日の日曜日には7万8200人、翌28日月曜日は8万7700人になった。
歩行空間を管理運営している札幌駅前通まちづくり会社では、「地上の駅前通の通行人は約4万人だったので6万人程度が地下を利用すると見ていたが、それを上回っている。周辺の南北の通りを利用していた人たちも地下歩行空間に引き寄せられている効果だろう」と分析している。
日曜日よりも月曜日に通行人が増えているのは、通勤に利用している人が多いことを裏付けている。
ただ、開業後に予定していた広場を使った商業イベントが東日本大震災によって相次いで自粛されたため、まちづくり会社は「200万円の予約がなくなった」という。
5月以降には、通路の両端にある憩いの空間を利用した展示即売などが活発化する。北海道商工会議所連合会が窓口になって道内の各地域の特産品を集めた市を順次開催していく予定。
憩いの空間の使用料金は、長さ6m、幅4mの24㎡を1区画として平日4800円、土日祝は7200円。非営利団体の場合はその半額になる。
また、6月からは広場や憩いの空間を使ってストリートパフォーマンスも行えるようにする。東京都が実施しているヘブンアーティスト制度を参考に登録制度を採用し、登録したストリートミュージシャンなどがパフォーマンスを披露できる。通行人が投げ銭も自由に行えるようにする考え。
市の中心部では大通公園を使ったYOSAKOIソーラン祭りやオータムフェストなど様々なイベントが催されているが、地下歩行空間との連動によって札幌の新たな文化をどう形作っていくかが問われている。

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