IMG_1369 来年4月の札幌市長選に出馬する自民党推薦で元総務省自治大学校研究部長の本間奈々氏(45、福岡県生まれ)は14日、追加の政策を発表した。9月に発表した3項目に続き、高齢者・障害者支援や教育、行財政改革など4項目で健康寿命を延ばす支援策、区役所の権限強化、花博誘致などの具体策を掲げた。出馬を表明している前副市長、秋元克広氏(58、夕張市生まれ)との政策の違いとして教育、子育て支援、女性政策を挙げた。(写真は、追加政策を発表する本間奈々氏)
 
 高齢者、障害者、生活困難者への支援を強化では、「健康医療先進都市を目指すため健康年齢を引き上げていきたい」として、老人福祉センターを健康寿命延伸センターに改編して充実させるほか、現在28ヵ所ある地域包括支援センターを中学校単位で増設、地域への目配り強化、高齢者向け住宅施設の建設補助率アップなどを示した。
 
 人と環境に配慮したまちづくりの一環として、大通公園の魅力を再構築する考えを表明、「大通公園がイベント会場になってしまい公園としての本来的な姿を見失っているのではないか。公園の原点に立ち返り、利用方法を再検討する」と述べ、1986年以降札幌で開かれていない花博誘致を訴えた。
 
 続いて学校教育、教育行政について言及、「労働組合が支えている秋元さんと最も差が出るのが教育問題だと考えている」として、学力テストの結果を区ごとに分析して発表することを示した。土曜日授業について、現在行われている札幌市内3小学校での結果を検証、全市的に広げていくことを検討する。
 
 行財政改革では、ムダを省き民間に任せる部分は任せ、子ども、まちづくり、スポーツ関連など理解が得られる投資は積極的にやっていくのが基本姿勢だと強調した。区ごとに機動的に予算付けができるように区役所の権限も強化、女性職員の積極登用、人材育成を通じて市役所改革に取り組む決意を見せた。
 
 地下鉄延伸など秋元氏との政策が共通している点について、「地下鉄延伸について秋元さんは札幌オリンピックと連動させて考えているが、私は札幌オリンピックと関係なくまちづくりの観点から延伸すべきと考えている」と語り、「新幹線延伸、高速道路など同じ政策を掲げていても国との関係が必ず必要になってくる。実現性はどっちが近いかを訴えていきたい」と総務省キャリアの経験や自民党推薦の強みをアピールしていくとした。
 
 衆院選が12月に行われる見通しが強まっていることについては、「市長選を前に2回も衆院選があるとは思ってもいなかったので、このタイミングで行われることに驚いている」と述べ、「衆院選で(市長選が)少し休止し制約を受けてしまう。市民の関心が和らいでしまうのではないかと一抹の不安を感じている。2月に自民党推薦を受けたが、『自民党は割れているのか』とよく聞かれる。衆院選での活動と連動させ、自民党は本間奈々に一本化していることをしっかりと理解してもらう場にしたい」と総選挙の効果を最大限に取り込んでいく姿勢を強調していた。
 本間氏は、早大法学部卒業後に自治省(現総務省)入省、2002年から札幌市企画調整局企画部企画課長として出向、11年春の市長選に出馬したが現職の上田文雄氏に敗れた。


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