高橋はるみ道政3期目の折り返しとなる今春の道庁幹部人事は、特別職がすべて入れ替わる「オール5」になる可能性も高くこれまでにない大型異動が取り沙汰されている。民主党政権から自公政権に交代したのを機に道政執行の顔ぶれを変えるとともに任期が到来する2年後に向けた高橋知事の「次」を占う布石にもなりそうだ。安倍新政権の金融財政政策“アベノミクス”になぞらえて、高橋知事の大胆な人事チェンジ“タカチェノミクス”と言えそう。(写真は、高橋はるみ知事)
 
 地方公務員の特別職は、一般職と違い選挙や議会の同意が必要なポストで道には選挙で選ばれた知事以外に5人の特別職がいる。内訳は、副知事3、教育長1、公営企業管理者1でいずれも一般職の最高ポストと位置付けられている。
 
 高橋道政3期目折り返しとなる今春の幹部人事は、高井修(63)、高原陽二(63)の両副知事に加えて高橋教一教育長(63)がいずれも就任4年を迎え交代時期を迎える。高橋知事の2代前に当たる横路孝弘知事時代は副知事など特別職の4年交代が一般的だったが、その後の堀達也知事は2年交代でローテーションを組み短期集中型の特別職人事を行ってきた。
 
 高橋知事が就任した1期目もほぼ2年ずつだったものの、2期目後半からはこの慣習が破られ、高井、高橋、高橋の3高トリオは高橋道政始まって以来の4年任期を全うすることになる。
 
 ただ、高橋道政では山本邦彦氏(現北海道空港社長)のように7年間に亘って副知事を務める異例のケースもあり、知事や議会との相性、政府や与党との距離感、経済界の評判などによってはさらに続投の可能性はある。
 
 3高トリオの内で、続投の前評判が高いのが高原(陽二)副知事。フットワークの良さや明るい人柄が持ち味で知事との距離も近い。就任当初は「知事とメル友」ということが外野席の目を厳しくしたが、今やメル友という言葉も死語に近くネットを介したトップ同士の情報交換はインテリジェンス(重要情報)の観点からも必要され、高原氏を見る内外の目も変わっている。
 
 もう一人の副知事である多田健一郎氏(50)は、総務省出身で今春就任3年になる。中央官庁出身の副知事が3年間務めるのも珍しく、本省に戻る確率は高いものの「50歳を超えて本省に多田氏を処遇するポストがあるのかどうか」(道庁関係者)という声もあって流動的。多田氏は、泊原発問題などを担当しており自公政権に代わって原発へのスタンスが微妙に変化している中で多田氏の存在は欠かせないという見方もある。
 
 公営企業管理者の成田一憲氏(61)は、就任2年だが、公営企業管理者は代々2年で交代しており成田氏もこの流れの中では例外ではないようだ。ただ、成田氏の手腕を評価する声は多く他の特別職ポストへの横滑りもないとは言えない。
 
 行政の継続性から見れば特別職5人がすべて代わる「オール5」は考えづらいが、自公政権誕生による人事一新で新風を吹き込む目的を絡めればその可能性を否定できない。もっとも、特別職退任後の転出先が決まっていなければ首をすげ替えることもできず、現実的な線で行けば「3」が妥当なところか。
 
 というわけで、本サイトが大胆予測すると特別職人事はこう動く。
 副知事=高原陽二氏(留任)、荒川裕生氏(総合政策部長)、山谷吉宏氏(経済部長)
 教育長=成田一憲氏(公営企業管理者)
 公営企業管理者=立川宏氏(総務部長)
 
 第一定例道議会は2月末から始まるが、議会同意が必要な特別職人事は既に水面下で始まっている。高橋知事が2年後のポスト高橋道政をどう考えるかも染み出てくる特別職人事となりそうだ。


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