道の4月1日付総合振興局長人事を巡って建設部内で波紋が広がっている。と、いうのも建設部出身の十勝総合振興局長がわずか1年で本庁に戻り次長級ポストに横滑りする人事があったからだ。「北海道リアルEconomy」が昨年報道(6月7日付)した建設部幹部人事を巡る「道路族」と「河川族」の派閥争いで、「河川族」が仕掛けた総合振興局長人事が「不発」に終わったことになる。(写真は、道庁本庁舎)
 
 昨年6月1日付けの道庁建設部人事は部内やOBの間で「ある仕掛けがあるのではないか」と囁かれていた。その仕掛けとは、十勝総合振興局長のポストを巡って河川出身の技監、徳長政光氏(59)が就任したことに端を発する。
 
 徳長氏は昨年6月時点では57歳だったが、その年に58歳になり総合振興局長の恒例任期2年を務めれば退職年齢になる。道の人事で、総合振興局長を最終ポストとして退職するのは異例で、そのため背後の「仕掛け」が語られるようになった。
 
 つまり、徳長氏を1年間限定で十勝総合振興局長とし、後任に同じ建設部河川出身のエースで技監の名取哲哉氏(56)を送り込み、来年4月の建設部長ポストで名取氏を「道路族出身」のエース、武田裕二空知総合振興局長(55)と競わせる環境を整えようという意図が見え隠れしていたからだ。
 
 建設部長ポストは、長らく道路出身者が就いており、河川族OBなどを中心に部長ポスト奪取は、言わば悲願。部長ポストを争える年齢層から見て、河川出身者では名取氏が最有力で、3歳年上の徳長氏を十勝総合振興局長に就かせることで部長ポスト奪取のレールを引こうとしたことが窺える。
 
 そんな中で行われる今年4月1日付の人事で、河川族の目論見は「不発」になったようだ。徳長氏の後任には農業圏十勝に相応しい農政部次長の橋本博行氏(57)が就任。徳長氏の後任と見られていた名取氏は技監として留任することになった。徳長氏は、本庁次長級の企業局長に横滑りする。
 
 ちなみに、徳長氏と同年齢の建設部出身の中岡正憲企業局長と寺山朗総務部危機管理監は退任する。
 
 早くも建設部内やOBの間では、来年4月の人事で武田準一郎建設部長(58)の後任は「道路出身者」で決まったという見方が出ている。


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