(写真は、夫人の話になって涙ぐむ鈴木氏)
 月額報酬25万円、妻と愛犬の柴犬5歳と暮らす鈴木氏は、37歳と思えぬ落ち着きと誰にでもわかる言葉を淡々と熱量を込めて話し、市長というより凛とした志士の風貌だ。「首長の仕事はフットワーク。経験則が通じない社会の中で皆さんの声を受けて365日24時間がむしゃらに働くことができるかどうかだ」、「若さや経験不足、至らないところを武器に変えて役割を果たしたい」、「退路を断って自分の熱い思いを道民に訴えること」、「私のモットーは、大義ある逆境に挑戦すること」など響く言葉を発し続けた。

 知事選出馬の決意を固めた理由を聞かれた鈴木氏は29歳で都庁職員を辞め、市長選出馬を決意した時に参考にした言葉を披露した。《お金を失うことは小さなことだが、名誉を失うことは大きく失うことだ。しかし、勇気を失うことはすべてを失うことだ》
 この言葉が今回も背中を押したという。

「決意したのは1月27日。妻に『もう1回ゼロになるけど、知事選に挑戦させてほしい』と話し、理解を得てこの場にいることができた」と述べ、「妻も働き二人三脚できたが妻には苦労をかけた。仮に知事になっても北海道の今の財政状況を考えると全国最低水準の報酬で知事をやらせてもらいたい。私は逆境の中で何かを目指す人間。私が妻の立場なら嫌だなと思う。人生を賭けた2回目の決断が間違いなかったと言われるように一日一日を頑張りたい」と最後はハンカチで涙を拭った。

 この日は、若手経営者たち12人が支援のために同席するなど徐々に輪が広がりつつある。会見後、鈴木氏は自民党道連や公明党北海道本部に推薦要請を行った。やはりスズキの軽に乗ってーー。

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