北海道の山谷吉宏・筆頭副知事(64)が3月末に退任することが決まった。後任は、阿部啓二経済部長(60)で窪田毅(61)、辻泰弘(62)の両副知事は留任する。山谷氏の退任は昨年11月ころから囁かれていたが、3月初旬になってその話が途絶えた。そのため留任説も漂ったが、高橋はるみ知事(64)の腹は決まっていた。この特別職人事は知事5選への準備工作と見られている。IMG_1495(写真は、道庁本庁舎)

 前回知事選の際、「4選は長いのではないか。3選をすれば十分だ」という声が北海道の政財界にはあった。しかし、知事の意思が通り4選を果たす。さすがに「これで終わりだろう」というのが選挙に関わった大多数の素直な声であった。
 しかし、ここにきて知事は5選に向けての準備に入ったというのである。周辺も「冗談だろう」という声やら「いい加減にして」という声やら俄かに騒がしくなってきている。

 知事がなぜ5選に踏み切ろうとするのか、実は良くわからない。いま現在、どこからも5選待望の声はあがっていない。それどころか経済界からは「5選なんてとんでもない。4選も続けてきたが、それで北海道はどうなったのか検証してみたらどうか。知事の功績として何か残したのか」(某経済人)という声に集約される。一般市民からは「もう飽きてきたという人が多いんじゃない。どっちにしても長すぎる」という声が聞かれる。

 それが、なぜ5選なのか。知事とその周辺は何やら慌ただしい。まず、高橋はるみ後援会長に高井修元副知事(69)が就任する予定だがこれも妙だ。現会長の吉澤慶信元副知事(73)が激務を退任理由としているが、後1年で知事の任期は終わる。形だけの会長ならそのまま1年続けても良いだろう。それが、この時点での交代である。つまり、1年で任期を終えるわけではない――ということだ。これが5選に向けた布石と見られる理由のひとつだ。

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