IMG_8759 来年4月の道知事選で4選出馬の意向を固めているとされる高橋はるみ知事(60)の正式出馬表明は12月になりそうだが、道庁内には醒めた雰囲気が漂っている。求心力やリーダシップと言った面で4選に向けた覚悟が感じられないためだ。歴代知事は最高でも3期12年で辞めており、4期目の挑戦は未踏の領域。足元の道庁マンや道内市町村長の中には4選出馬に懐疑的な見方も一部で広がっている。(写真は髙橋はるみ知事)
 
「今や知事にモノ申す道庁幹部は誰もいない」と語るのは、道庁関係者だ。1期、2期と年数を重ねていくうちに経験を積んだ髙橋知事は3期に入ってから、「道庁内の誰よりも道内のことを良く知っている」という評価が定着したためだ。
 
 副知事や公営企業管理者など特別職や部長、局長クラスで知事と論陣を張る気骨のある幹部は知事が期を重ねるごとにいなくなった。知事応接室で行われる議会答弁の勉強会では、かつて知事がOKを出した答弁案にも待ったを掛けるようなツワモノがいた。しかし、最近はそんな話もトンと聞かない。ベテラン知事の前では言うべきことは何もないという空気感が漂っているようだ。
 
 権腐10年とはよく言ったもので、トップが長く座れば必ずそこには腐敗とまでは言えないにしても滞留が起きる。人事や政策に目新しさや活気が失われていくからだ。髙橋知事の1期目は、支庁制度改革や市町村合併、道州制などダイナミックさが感じられたが、2期目は1期目の延長になり3期目は2期目の延長というように、目立った政策は影を潜め、「何事も起こらず道政が安定しているのは髙橋知事だからこそ」という逆説的効果論が幅を利かせている。
 
 知事は4選出馬の意向があるとされているが、正式には表明しておらず「様々なことを頭の中で整理中」」と会見で述べるにとどめている。道政史上から言えば3期目は総仕上げの4年間だが、高橋知事の3期目にはこれと言った目玉政策はなく総仕上げという向き合い方とは感じられない。
 
 4選出馬の正式表明には3選までとは次元の違う覚悟が必要だ。4期目に本当に挑むのかどうか、心の底は本人のみぞ知るという状況だが、正式表明が長引けば長引くほど4選出馬に懐疑的な見方は広まっていくことになりそうだ。


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