10億円以上の高額不動産を専門に仲介する「ワールドスター不動産」(長谷川傑代表取締役・44)が札幌に設立されてから1年半、同社がロケットスタートを見せている。全国各地から物件売却の依頼が殺到し、その総額は既に1兆円を超えた。同時に不動産を買い求める投資会社からの引き合いも増え、好循環が止まらない状況。海外の不動産投資会社に豊富な人脈を築いてきた長谷川代表が、北海道で形成を目指す売買マーケットは確実に根付き始めている。

 東京の不動産市場が飽和状態に到達した昨今、海外の不動産投資会社の目は北海道、中でも札幌に向かっている。その受け皿になるべくJR札幌駅前に事務所を移転し、新たなステージに踏み出した長谷川代表に今後の戦略とこれまでの歩みをインタビューした。20180713_134919(写真は、ワールドスター不動産の長谷川傑代表取締役)

 ーーあらためて長谷川代表の経歴を教えて下さい。

 長谷川 私は札幌西高校から青山学院大学に進学し、卒業後に不動産鑑定士試験に合格しました。不動産鑑定士試験は司法試験、公認会計士試験と並んで三大国家試験と言われるほど難易度の高い試験で、不動産系資格の最高峰とも言われています。不動産鑑定士は不動産の経済価値を判定する高度な専門家です。毎年全国で100人程度の合格者が輩出していますが、道内出身の合格者は年に1人出るかどうかの狭き門です。

 不動産鑑定士試験合格後は東京の不動産コンサルティング会社に勤務し、後に世界史上最大の倒産と世界的金融危機『リーマン・ショック』を引き起こすことになる米リーマン・ブラザーズ社を担当し、投資助言業務に従事しました。その後に勤務した不動産投資会社リサ・パートナーズでは、ジョージ・ソロス氏(個人資産約3兆円)と提携し、日本の高額不動産に共同投資を行いました。

 ーージョージ・ソロス氏と言えば、1992年に発生した『ポンド危機』において為替の安定を目指し、自国通貨を必死に買い支えるイングランド銀行(イギリス政府)に完膚なきまでの売り浴びせを仕掛け『イングランド銀行を破産させた男』として一躍有名となった人物ですね。

 長谷川 その通りです。その後、米投資ファンド『サーベラス』の傘下にあったあおぞら銀行で海外・国内の不動産投資会社向けに1件当たり数十億円規模の不動産融資(ノンリコースローン)を多数実施し、全世界の不動産投資会社に人脈を構築することに成功しました。さらに、米コリアーズ・インターナショナルと提携している谷澤総合鑑定所では海外・国内の不動産投資会社向けに1件当たりの評価額が数億円~数百億円の不動産鑑定評価を多数行いました。谷澤総合鑑定所在籍時に執筆した著書『事業用不動産等のマーケット分析と評価(清文社、共著)』(税込3240円)は、現在も全国の大型書店で販売されています。