衆院5区選出の民主党・小林千代美氏が辞職して1ヵ月が経過したが、小林氏を巡って来春道議選への出馬説が燻っている。
小林陣営は、昨年8月の衆院選で元選対幹部の山本広和連合札幌前会長が買収の約束など公職選挙法違反で逮捕起訴され、札幌地裁で懲役2年、執行猶予5年の判決が出され、現在上告中。さらに北教組マネー約1600万円を活動資金として不正に不正授受したとして北教組幹部と小林陣営の元会計責任者が政治資金規正法違反で逮捕起訴されて、有罪が確定している。


山本被告の上告が棄却されて連座制が適用されれば、小林氏は同一選挙区から5年間立候補できないことになるが、他の選挙区あるいは衆院選以外での立候補は可能とされている。
小林陣営の幹部が相次ぎ逮捕されて、北教組マネーについては有罪確定しているのに議員本人が「知らなかった」ではすまない話だが、小林氏は労組選挙に祭り上げられた被害者というイメージが少なからずあるのは事実。それに、小林氏は国会議員と言うよりも道議会議員、あるいは市会議員の方がピッタリ来る感触がある。
小林氏の道議選出馬が取り沙汰されている選挙区は北広島市。現在は民主党道民連合の沢岡信広道議(61)が4期目を務めている。沢岡道議は民主党道民連合の政審会長や幹事長を歴任し現在は筆頭副会長。
沢岡氏は6月末に今期限りでの引退を表明している。
道庁関係者は、「沢岡道議はご自分の人生設計をきっちりと考えている人。期数や年齢から今後の生き方を熟考した結果、来春の道議選に出馬しないことを決めたのでしょう」と言う。
現時点では沢岡氏の後継は未定だが、北広島市は民主党が強い選挙区。昨年8月の衆院比例では民主党の得票数は1万6947票で自民の8554票のほぼ倍で、今回の参院選でも徳永エリ氏―藤川雅司氏の民主党候補への票を足せば自民・長谷川岳氏を圧倒する。
民主優勢の客観データはあるものの、小林氏の道議選出馬となれば政治とカネに神経質になっている有権者の岩盤をどう打ち砕くのか。労組色を排した、たった一人の戦いをすればあるいは共感を得られるかもしれない。

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