その後、大手不動産鑑定評価機関の谷澤総合鑑定所に移り、3年間不動産ファンドやJリート(日本の不動産投資法人)向けにホテル、ショッピングモール、老人ホーム、物流施設、ゴルフ場など数億円から数百億円規模の鑑定評価を行ってきた。こうした経歴から分かるように、長谷川氏は不動産業の『買う、貸す、評価する』のそれぞれの領域で経験を積んできた。不動産業界の川上から川下までを知る業界では珍しい存在と言える。

 こうした不動産マーケットで培ってきた蓄積を、生まれ故郷の札幌で活かそうと設立したのがワールドスター不動産だ。手掛けるのは10億円以上という高額不動産。長谷川氏はその狙いをこう語る。
「私がこれまで携わってきた不動産ファンドの大半が10億円以上の不動産だけを投資対象にしています。私の経験から言えば、不動産は買い手の資金力によって売買価格が左右されます。10億円の運用資金で10億円の不動産を買うのでは投資に慎重になり、少しでも安く買おうとしますが、数百億円の運用資金があって世界中で数兆円の投資をしている不動産会社なら5千万円や1億円には拘らず、投資したいと思う物件には買主から指値交渉はしません。それどころか他社との競争になるとどんどん値を上げていきます。ここが日本の一般的な不動産会社とは違うところ。海外不動産会社が本気で投資を考えると、日本の不動産会社は歯が立たないことを何度も見てきました。100億円以上の物件でなければ投資対象にしない海外の不動産会社もあるほどです」

 しかし、10億円以上と言っても果たして札幌、北海道にそれだけの物件があるのだろうか。
「外国の富裕層はニセコで地元の人たちが出せないような金額で別荘やコンドミニアムを買っています。北海道はアジア圏だけでなく世界から観光客を引き寄せているため、投資対象としても魅力的。冬季オリンピック・パラリンピックの誘致も進められており、今後も注目度はますますアップしていくでしょう」と長谷川氏は自信を示す。



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