IMG_9477 コープさっぽろ(本部・札幌市)は、宅配で商品を届けるとともに高齢者の安否確認をする「見守りトドック」を28日からスタートさせる。これまで注文者と届け先は同じでなければならなかったが、今回それらが別々でも対応できる仕組みを構築、例えば都会に住む娘・息子夫婦が地方に住む独り暮らしの親に商品を届けてもらうとともに安否の確認をしてもらい報告を受けられるようになる。孤立死を防ぐ一助になりそうだ。(写真は「見守りトドック」を発表するコープさっぽろ大見英明理事長とマスコットキャラクターのホッキョクグマのトドック)
 
 コープさっぽろの「宅配トドック」は、毎週1回注文した商品を自宅に届けるシステムで道内30万世帯が利用、約740億円の売上げがある(2013年3月期)。これまでも地域貢献活動の一環として高齢者の見守りをトドックに組み込んで、配達時に異常があれば救急車を呼んだり家族や警察に知らせる活動を実施しており、実際に異常を見つけて通報したのは81件あったという。すでに69市町村と宅配トドックによる高齢者見守り協定も結んでいる。
 
 ただ、システム上、注文者と届け先が同じでなければ対応できず組合員から「地方に1人で住む高齢の親が心配」という声が高まっていた。このため、システムを変更して注文者と届け先が違う場合でも対応できるようにした。
 
 この結果、札幌市内に住む人が地方の限界集落などに1人で住む高齢の親に毎週商品を届け貰うことと合わせて健康状態など見てもらい報告を受けられるようになる。また、食生活が不規則になりがちな単身赴任の男性や1人暮らしの学生など離れて暮らす家族の間でも利用が広がりそうだ。
 
 トドックの車両数は873台で配達担当者は1589人、配達エリアは天売島と焼尻島を除く全道。
 
 大見英明理事長は、「1人暮らしの高齢者の見守りと商品供給を同時に解決していこうという取り組みで全国でも初めてだろう」と意気込む。また、この取り組みは道とコープさっぽろが今年2月に締結した包括連携協定の一環でもあることから、道の條野昌和福祉局長は、「孤立死を防ぐのは大きな行政課題。今回の見守りトドックでセーフティネットが広く厚くなると期待している」と語っている。


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