札幌市内で2013年度に新規出店する食品スーパーやドラッグストア、ホームセンターが現在までで12店舗にのぼることが分かった。来年4月の消費増税を控え、流通各社の陣取り合戦の側面が強い。12年度の流通各社による市内新規出店数は4店舗だったがそれを3倍も上回る。食品スーパーなどは飽和状態とされ低価格競争による買い物客の奪い合いが一段と激しくなる可能性がある。(写真は、7月オープンを目指して工事が始まっている「マックスバリュ八軒5条店」=2013年4月14日撮影)
 
 札幌市に届け出のあった店舗面積1000㎡以上の大規模小売店舗出店計画と北海道リアルEconomyの独自取材を集計すると、現在までで2013年度出店数は食品スーパー3店舗、ドラッグストア4店舗、家電量販店2店舗、ホームセンター3店舗にのぼることが分かった。
 
 食品スーパーでは、マックスバリュ北海道が「八軒5条店」を7月に、コープさっぽろが「月寒東店」を8月に、ダイイチが「清田店」を11月にそれぞれオープンする予定。昨年度は新規出店がゼロだったが、今年度は一転、出店ラッシュになる。各社の新規店舗はいずれも既存の食品スーパー店舗と近く、価格競争や品揃え、品質による差別化競争が避けられない。
 
 ドラッグストアも昨年度のゼロから今年度は4店舗になる。サッポロドラッグストアーはそのうち3店舗(山鼻店=5月、西宮の沢店=10月、清田店=11月)を予定、ココカラファインも11月予定で「新川店」をオープンさせる。
 
 家電量販店は昨年度と同じ2店舗で、既に4月11日にデンコードーがフランチャイズで「ケーズデンキ月寒店」を開店しており、11月にはエディオン子会社のサンキューが「100満ボルト清田店」をオープンさせる。ヤマダ電機は昨年11月に「テックランド札幌白石店」を新規出店したが今年度は札幌市以外で複数出店を継続する。
 
 ホームセンターは昨年度末の3月1日にLIXILビバが「スーパービバホーム手稲富丘店」を1店舗オープンしたのみだったが、今年度はホーマックが「スーパーデポ厚別店」を4月24日に、「スーパーデポ発寒追分通店」を5月下旬に開店、11月にはLIXILビバが「スーパービバホーム清田店」を新設する。今年度出店するホームセンターはいずれも店舗面積が1万㎡クラスの大型店であることが特長。
 
 アベノミクス効果による景気回復期待が高まっているが、食料品や日用雑貨、家電製品などの生活必需品ではデフレが今後も継続すると見られている。来年4月の消費増税による売価転嫁も難しく流通各社による消耗戦は今まで以上に厳しくなる見通し。新規出店によって「食品スーパー」「ドラッグストア」「家電量販」「ホームセンター」の流通4業態の競争は一層過熱することになりそうだ。
(※店舗面積1000㎡以下は未カウント。また、空き店舗への居抜き出店やリニューアルも集計から外している)


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