新潟市に本社を置くホームセンター、コメリが北海道での多店舗化を積極検討している。札幌市内に出店開発の要員を2~3人駐在させ、道内全域での出店候補地リサーチを続けている。既に苫小牧市内で3店舗目の出店が明らかになっているが、さらに地方都市を中心に出店を増やしていくものと見られる。道内のホームセンター業界は、ホーマック(本社・札幌市)やジョイフルエーケー(同・同)、LIXILビバ(同・埼玉県上尾市)、カインズ(同・埼玉県本庄市)などが入り乱れた展開をしているが、コメリの本格出店で全道域での競争が激しくなりそうだ。
 
 コメリは、新潟市に本社を置く東証1部上場企業で、前3月期の売上高は約3120億円。ホーマックなどを傘下に持つDCMホールディングスの約4400億円、カインズの約3300億円に次ぐ業界3位。道内では、旭川市内に永山店(永山8条4丁目)と音更町に音更店(音更町木野大通西16丁目)の2店舗を出店しているが、新たに2015年には苫小牧市内への大型ホームセンター出店が明らかになっている。
 
 道内のホームセンター業界は地元のホーマックを筆頭に全国大手が入り乱れる競争を繰り広げている。単独出店しているLIXILビバは、道内でも馴染みのあるビバホームの大型化を志向、今年は売場面積1万㎡以上の大型ホームセンターを2店舗オープンさせるほか、アークスグループのエルディが道内フランチャイズ提携しているカインズホームも4月下旬に3店舗目を出店する。
 
 また、ジョイフル本田(同・茨城県土浦市)とアークランドサカモト(同・新潟県三条市)、キムラ(同・札幌市)の共同出資会社であるジョイフルエーケーも道南方面での大型店出店の噂が絶えない。
 
 業界関係者によると、「ホームセンター業界の中で、コメリの道内出店意欲はきわめて強い。札幌市以外の地方都市での出店リサーチを続けているようだ」と言う。
 
 道外に本社を置くホームセンターの中で、フリーハンドで道内展開をしているのはコメリとLIXILビバの2社。コメリが2年後の苫小牧出店以降、道内展開を加速することになれば、提携や出資で橋頭堡を持っている他の道外勢も出店を加速するものと見られる。



この記事は参考になりましたか?